会長あいさつ
日頃より、みなさまには本会の活動に対しまして、ご支援・ご協力をいただき、誠にありがとうございます。
長く続いたコロナ禍の影響や、社会の在り方が様変わりする「Society5.0時代」の到来など、今日は先行きが不透明な「予測困難な時代」と言われています。子どもたちを取り巻く環境もここ数年の間に大きく変化し、それに伴い、学校に求められる役割が今まで以上に複雑化・困難化してきています。その一方で、昨今の報道にもあるように、学校に配置される教員の数が定員を下回る、いわゆる「教員不足」は、深刻な問題であり、必要な教員数の確保のためにも、教員の長時間勤務の是正や業務改善の推進等の「学校における働き方改革」の取組は「待ったなし」の課題といえます。
これらの学校を取り巻く課題の解決のために、令和3年1月に公表された中教審答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」は、連携・分担による学校マネジメントを実現することが挙げられる中、事務職員の校務運営参画の重要性についても触れられています。令和3年度から京都市立学校事務研究会が取り組んできた「学校事務標準化プロジェクト」も、総務・財務等に通じる専門職である事務職員が、学校の中での職務領域の拡大や事務の効率化・標準化をすることを通して学校組織の機能強化を図り、学校教育の充実に貢献していくことを追求し取り組んできたものです。研究成果を踏まえた提言を受けて、教育委員会から学校現場への展開がなされているところですが、本研究会としても今後、試行実施から見えてくる課題等を整理しながら、定着に向けた取組を進めていくことが重要と考えます。
前述しましたように、現代は、変化が激しく、予測困難な時代と言われます。学校教育を取り巻く環境が大きく変わろうとする中、これまで以上に学校事務職員が果たすべき役割に期待が寄せられています。京都市立学校事務研究会では、「より良き学校教育は、より良き学校事務から」とのスローガンのもと、これからも時代に即した研究をおこない、新しい学校教育の在り方にふさわしい学校事務機能が提供できるよう、研究会活動の継続と発展に努めてまいります。
京都市立学校事務研究会
会長 松下 健太郎