R5年 研究集会

今年度の取組のまとめとなる研究集会を1月16日(火)に行いました。研究集会では、公開授業、研究報告、指導講評・講演が行われました。内容は以下の通りです。 

〇公開授業

 4年生単元『府内の特色ある地域の様子』

  ~古くから受けつがれてきた産業のさかんな宇治市~

  授業者 京都市立朱雀第一小学校 教諭 根津 亮介

〇研究報告

 京都市小学校社会科教育研究会 研究部長

  京都市立御所南小学校 主幹教諭 加藤 俊介

〇指導講評・講演

 演 題「社会科授業研究のこれからを読み解く!」

 講 師 京都市総合教育センター 指導室

        首席指導主事 鈴木 宏紀 先生

 今年度の成果を次年度に引き継ぎ、令和8年の京都大会に向けて取組を進めて参ります。

全小社研<東京大会>・近小社研<奈良大会>

 11月9日(木)・10日(金)に行われた全小社研<東京大会>において、下京雅小学校 中川 清博教諭が6年「世界に歩み出した日本」の実践発表を行いました。

 また、11月17日(金)に行われた近小社研<奈良大会>では、桂東小学校 清水 一希教諭が4年「用水のけんせつ~琵琶湖疏水~」の実践発表を行いました。

 近畿大会で発表をされた清水教諭は、「学習したことを生かし、さらなる問いを追究する子どもの育成」を図るために、どのような単元構想を行ったか報告していただきました。質問・応答では、他府県の先生方より多くの質問をいただき、充実した課題別研究協議会となりました。

R5年 1日社研

 8月1日(火)に深草小学校を会場として、社研夏季研修会(1日社研)を開催いたしました。

今年度の内容は以下の通りです。

午前の部

〇会長挨拶

〇全小社研(東京大会)提案発表および提案骨子検討

〇近小社研(奈良大会)提案発表および提案骨子検討

〇講演「社会的な見方・考え方を働かせる社会科授業デザイン」

 

午後の部

〇令和5年度の研究主題について

〇副会長挨拶

 今年度は参加全員が会場に参集し、1日社研を行うことができました。研究主題を受けて行われた学年部会でも、2学期からの実践に向けて活発な議論が行われました。

R5年 研修計画

会長就任にあたって

 令和5年度、京都社研の会長を務めさせていただくことになりました。歴史と伝統を引き継ぐことに職責の重さを感じつつ社会科を愛する会員の皆様と共に、社会科の学びを深めていく所存です。本研究会では、一貫して「子ども」を主語にした研究主題を設定し、自ら問題意識をもち、子ども一人一人の考え方を大切にした問題解決的な学習を通して、資質・能力を育んでいくことを大切にしてきました。その志を受け継ぎ、社会科を通して、子どもたちにこれからの社会を生きる力を付けていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 5月に新型コロナウイルス感染症の法律上の位置付けが変わり、対面での活動が戻ってきました。そのような状況の中、夏季休業中に授業実践力向上講座が「学習問題って、どのようにつくればいいの?」をテーマに行われました。研修会場いっぱいの参加者で、社会科授業における学習問題に対する関心の高さを実感しました。模擬授業を通した学習問題づくりの実際では、教師の資料提示や発問など学習問題に向かうための社会的事象との出合いの工夫を具体的に学ぶことができました。学習問題が子どもの疑問文をつなぎ合わせた問題文づくりではなく、教師が意図的に設定するものであることを改めて確かめることができました。

 また、一日社研では、ポータル配信で島根大学大学院教育学研究科 教授 加藤 寿朗先生の講義「社会的な見方・考え方を働かせる社会科授業デザイン」を視聴しました。社会的な見方・考え方を働かせる学習のキーワードは「問い」でした。学習活動のスイッチとしての「問い」、社会科の中で必要とされる社会を読み解くための「問い」という問いの役割がまとめられていました。さらに、問題解決的な学習過程として「予想する」とともに「調べる課題をつくる」段階の大切さが強調されていました。子ども自身が学習の道筋をとらえ、今、何を調べ確かめようとしているのかを意識できるようにするということです。

 さらに、一日社研で研究部から提案された研究構想においても研究の視点として「学習問題の設定」と「見通しの充実」が掲げられています。子ども一人一人が問いを自分事とし、他者とのやり取りを通して自己調整しながら問題解決的な学習を展開することが多様化・複雑化する世の中で求められる社会科授業であると提案しています。

 この夏の研修を通して示された問題解決的な学習の充実を図るための課題は、学習問題を含めた「問い」と「見通し」でした。これらは、教師の課題としても考えることができます。研究会員一人一人が研究会活動における課題を自分事と考え、問題意識をもち、よりよい解決に向けて話し合うことができるように努めていきます。令和8年度には、全小社研 京都大会を開催予定です。「見通し」もって準備を進め、京都の社会科学習を全国に発信できるよう研究会員の皆様のご協力をお願いいたします。

京都市小学校社会科教育研究会

会長 岡 博士

全国小学校社会科教育研究協議会<熊本大会>

 2月2日(木)・3日(金)に熊本大会が行われました。京都社研では4年「自然災害からくらしを守る」の実践発表を行いました。

 発表をされた大塚小学校 勝部教諭は、「子どもたちが自分事として捉えるために」単元をどのように構成したのか報告をしていただきました。 質疑・応答では、他県の先生方より多くの質問をいただき、充実した課題別研究協議会となりました。

R4年 1日社研を開催しました

 8月4日(木)に大宮小学校を会場として、社研夏季研修会(1日社研)を開催いたしました。今年度の内容は以下の通りです。

午前の部

〇挨拶

〇講演「同和問題にかかわる単元の指導」

〇全小社研(北海道大会)紙面発表の報告

〇近小社研(兵庫大会)提案発表および提案骨子検討

午後の部

〇研究主題について

〇挨拶

〇各学年部会 ~研究主題を受けて~

 会場にご参集くださった研究会員、Teamsの配信を通して参加してくださった研究会員を併せると50名を超える参加者が集まりました。2学期からの実践に向けて、活発な議論が交わされた1日になりました。

ICT活用のアイディア例【3年】
会長挨拶

 今年度,歴史と伝統ある京都社研の会長をさせていただくことになりました。大きな責任を感じながらも社会科への熱意のある会員のみなさんと力を合わせながら,京都市の子どもたちの社会科の学びを進めていけることにやりがいを感じています。「京都の子どもたちに社会科を通して確固たる力を付ける」という熱い思いを基盤に設立された本研究会の意思を受け継ぎ,今の社会に生きる子どもたちが少しでも豊かに生きられる力を,社会科を通じて付けていきたいと感じています。役職の先生方,会員の皆様と力を合わせ研究会活動を充実させていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて,新型コロナウイルスの感染拡大を受け,様々な学校行事などの学校の教育活動が中止や縮小されています。学習についても様々な制限が加えられ,従来の形での教育が難しい現状が生まれています。学校だけではなく,社会全体が,新型コロナウイルスの感染拡大など先行き不透明な「予測困難な時代」となり,ICT等の活用などにより,社会の在り方が劇的に変わる「society5.0時代」となってきています。

 このような時代を生き抜いていく子どもたちの資質・能力を育成する必要性が高まってきています。そこで,令和3年になって中央教育審議会が「令和の日本型学校教育」の姿として,個別最適な学びと協働的な学びを示しました。その姿を具体化するためにGIGAスクール構想がスタートしています。一人一台のタブレット端末を最大限に利用し,指導の個別化と学習の個性化を図っていくことが狙われています。タブレット端末を利用して,一人一人が主体的に,ねばり強く学習を進め,その学びをもとに,子ども同士や教師や他者と協働しながら学びを深めていく授業の姿が求められています。一つの資料収集に現地まで足を運び,一枚の写真をみんなの資料とするために画面に映し,それをもとにみんなで話し合った姿は,これからの教室にはありません。しかし,資料の手に入れ方,その共有の仕方は進化を続けていますが,個が学び進め,そこから協働で話し合い,学びを深めていく姿は今も昔も,特に社会科の授業では変わりません。不易と流行の流行の部分を生かし,不易の部分を最大限に広げ,深めていくことを目指していかなければならないのです。その流行の部分がGIGAスクール構想により限りなく広がっていくことは間違いのない事実なのです。

 令和の時代の学校教育になろうと,その構築に向けて力強く歩んでいくには,高い志をもった教員の存在が必要です。わたしたち京都社研は,「子どもたちに社会科を通して確固たる力を付ける」という志をもち,子どもと共に一歩ずつ歩んできました。社会科の授業を核として子どもたちに力を付け育てていくためには,やはり楽しい授業をつくっていくことが必要なのです。子どもにとって楽しいとはどのようなものでしょう。

 社会の姿が授業を通じて見えてきたとき,子ども同士で考えを述べあっているとき,今まで知らなかった事実が分かったとき,目に見えるものからその本質がつかめたときなどなど,社会科好きの子どもをたくさん育でたいものです。本年度会長として,会員や社会科を志す教員が,子どもと共に,社会科の授業づくりを行うことが楽しいと思えるような研究会活動にしていきたいと思っています。

京都市小学校社会科教育研究会

会 長   林 正和

研究テーマ

 社会を見る目を育てる社会科学習

~子どもが社会とつながる授業のあり方~

課題設定 

 将来の変化を予測することが困難な時代に子ども達に必要となるのは,必要な情報を知り,それを分析・評価しどのように社会とつながっていけばいいかを考え,実行していける力である。そのためには,自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,協働しながら,よりよく問題を解決する資質や能力が必要である。そして,社会科の学習を通じて,社会を見る目を育て,子どもたちが将来において社会とつながる力を育んでいきたい。

研究内容

社会とつながる力を育てることを目指し,下記に示す視点を大切に実践し,研究を進めていく。

視点1 子どもと「社会」がつながる学習過程の工夫

〇複数の単元を俯瞰し,学習したことを応用させていく単元を構想する。

〇子どもの思考や問題意識を想定して単元を構想する。

〇つけたい力を明示しながら,子どもが自らの学びを調整する単元構想のあり方を探る。

視点2 子どもと「社会」をつなげる教材の開発

〇京都や京都市,校区など子どもが「社会」とのつながりを実感できる教材を開発する。

〇社会と主体的につながろうとする教材を開発する。 視点3 子どもが「社会」とつながる学習活動の工夫

〇社会的事象の見方・考え方を働かせた,効果的な学習活動を探る。 〇子どもと「社会」をつなげるような,「資料提示」・板書のあり方を探る。

〇選択・判断したり,多角的に考えたりできる学習活動を探る。

視点4 子どもの意欲や深い学びにつながる評価

〇シンプルかつ妥当性のある評価のあり方を探る。

〇子どもの意欲や深い学びに向けて,自己・相互・教師による効果的な評価のあり方を探

研究計画
  月 日 内容
8月5日 夏季研修(本年度の研究主題や内容の確認,全国大会提案内容確認等)
10月中旬 小教研主催授業研修会(授業力アップ)
10月29日 第59回全国小学校社会科教育研究協議会大阪大会(6年部会で紙面提案)
10月29日 授業実践力向上講座(実践をもとにした提案,ワークショップ),委員会と共催
2月2日 社研研究集会(授業公開と協議。国士舘大学澤井教授による指導講評など)
1月27日,28日 令和3年度全国小学校社会科研究協議会佐賀大会
年2回 研究会広報誌「極覧」発行
3月中頃 研究のまとめ