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京都市国語教育研究会
第68回 全国国語教育研究大会
【大会研究主題】
自らことばに向き合い 自分のことばで表現する子ども(3)
【日時】 令和8年1月23日(金)
【場所】 京都市立西陣中央小学校
【公開授業】各学年の提案
【講演】 文部科学省 初等中等局 教科調査官
大塚 健太郎 先生
ようこそ 国語教育研究会へ
本研究会は、大正9年に発足し、昭和30年には全国に向けて研究成果を問う全国大会を始めるなど歴史のある研究会です。
コロナ禍においても研究の歩みを止めることなく、できることをできる形で取り組んできました。令和5年度には、研究会の創立百周年記念大会として研究大会を開催しました。今年度においても、1月23日(金)に行う予定をしています。
今年度の研究テーマは、「自らのことばに向き合い、自分のことばで表現する子」の3年次です。
この1年間の研究活動としては、低学年部・中学年部・高学年部の2学年のまとまりごとで組織編制を行い、一人一人の学びに寄り添いながら、主体的な学び手の育成を目指して、下記の3点に力を注いで研究を進めます。
●主体的な学びを支える「課題設定」と「単元構想」
●個に応じた「見取り」と「支援」の具体化
●学びの深化と共有を促す「振り返り」と「全体化」
日々の学習指導の中で、「資質・能力を明らかにし、魅力ある国語科の授業を展開したい」「書くことが苦手な子どもに、書く力をつける手立てを知りたい」「子どもたちが主体的にことばに向き合うには、どうすればよいか知りたい」「教科書が変わり、新教材の教材分析や教材研究をどうすればよいか知りたい」とお悩みの先生方、ぜひ一緒に研究していきましょう。多くの方のご参加をお待ちしています。
(毎月第4金曜日、17時から西陣中央小学校で、低・中・高学年部会を行っています。)
京都市国語教育研究会
会長 髙橋 明希(京都市立西陣中央小学校)
京都市国語教育研究会 ~私たちが目指すもの~
1 大切にしてきたこと
私たちは「一人一人の子どもを徹底的に大切にする」という京都市の教育理念を基にし、「ことばの力」を育てるための実践を積み重ねてきた。国語科の学習の基本的な考え方・多様な指導法を研究の基礎として、取組を継承・発展し伝え続けていきたいと考えてきた。その時代に求められることばの力を付けることを目指し、一貫して次のことを発信し続けてきている。
○子どもが主体的に活動する国語科指導
自らの課題を自覚し、方法を学び、見通しをもって学習できるようにし、一人一人が学んだことで自分の成長を自覚できるような個に応じた学習の流れを工夫すること
○ことばの力を育てる国語科指導
音声言語や文字言語などの情報を理解し表現するための基礎・基本の言語能力を身に付け、学んだことばを用いて交流する中で、自分のことばとして獲得し、より確かな力となるようにすること
○授業研究を中心とした実践的研究
協働的な学びを実現し、学び合う喜びを実感するとともに、交流する中でお互いのおもいや考えが高まり深まり合うような授業実践を大事にすること
このような積み重ねによって、確かなことばの力を育てるとともに、思考力・判断力・表現力を伸ばし、一人一人の子どもが自己実現を図り、主体的に生きる力を育成することを目指してきた。
2 今、求められる学力と国語科指導で目指すもの
1)Society5.0時代に求められる力
Society5.0時代においては、持続可能な社会と幸福な人生の創り手として、予測困難な未来を多様な人々と協働しながら切り拓く力が求められている。さらに、生成AIの普及、情報の氾濫、価値観の多様化が進む現代社会において、子どもたちには「自ら考え、他者と協働しながら課題を解決する力」がこれまで以上に必要とされている。
このような社会の変化を受け、令和6年12月2日の中央教育審議会答申では、個別最適な学びと協働的な学びの両立を図る授業づくりの重要性が強調された。国語科においても、児童生徒が自ら問いを立て、言葉を通して思考を深める学習活動の充実が求められている。
2)多様な学びに応じた柔軟な指導の必要性
これからの教育では、子どもたち一人ひとりの成長やつまずき、悩みに寄り添いながら、興味・関心・意欲などの個性を的確に捉えた柔軟な指導が求められる。特に、子どもたちの多様な学びのスタイルに応じた支援と、対話や協働を通じて深い学びを実現する場の創出が不可欠である。
3)学習指導要領における資質・能力の三つの柱
学習指導要領では、知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」の育成を目指し、以下の三つの柱をバランスよく育てることが示されている。
① 生きて働く「知識及び技能」の習得
② 未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」の育成
③ 学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」の涵養
これらの資質・能力は、単なる知識の習得にとどまらず、子どもがそれを既有の知識や経験と関連付けて深く理解し、他の学習や生活の場面でも活用できる「生きて働く知識」として定着させることが求められている。
4)国語科指導で目指す姿
国語科においては、子ども自身が学びの主体者となり、三つの柱の育成がバランスよく、確実に実現されることが重要である。そのためには、すべての子どもが一定の目標を達成できるよう支援し、主体的に課題解決に向かう力を育てる必要がある。
また、子どもたちが確かな「ことばの力」を身につけ、自分のことばで考え、表現できるようにするために、教師は一人一人の学びを丁寧に見取り、寄り添う姿勢が求められる。さらに、他者と協働することで新たな考えを生み出したり、自分の考えの特徴に気づいたりするなど、対話を通じた学びの深化も重視される。
5)研究主題の設定とその意義
以上のことから、本研究では次の主題を設定する。
研究主題:「自らことばに向き合い、自分のことばで表現する子ども」
この主題は、国語科のみならず、他教科や日常生活においても活用される「ことばの力」の育成を目指すものである。子どもたちが主体的にことばに向き合い、自分のことばで表現する力を育てることで、生涯にわたってことばを学び続け、自分のことばにこだわりをもって表現する姿勢を育んでいくことを目指す。
3 今年度の研究テーマと取組の重点について
『自らことばに向き合い、
自分のことばで表現する子ども(3)』
【自らことばに向き合う】
文章を読んだり、話をしたりすることを通して、子どもたちはさまざまなことばに日々触れている。自ら文章に向き合って繰り返し読んだり、相手意識をもってことばを選んだり、ことばにこだわりをもって向き合う姿を求めたい。そのために、子どもたち一人一人が課題をもち、課題解決に向かうことができるようにしたい。また、自分の考えを構築するために、思考するためのことばを自分で獲得することも必要である。文章を読んだり、話したりすることを通して、ことばに対する理解を深めると同時に、獲得したことばの質を高めたり深めたりすることを目指したい。
【自分のことばで表現する】
子ども一人一人が「ことばに向き合う」ことで、さまざまなことばに出会い、獲得していく。このようにして獲得した知識・技能や経験を基に理解を深め、解釈したり自分の考えをもったりすることができる。さらに、自分のおもいや考えを友達と交流する対話や振り返りの中で、自分の考えを確かにするとともに、広めたり深めたりするという協働的な学びを通して他者と学び合うことにより、また新たなことばを獲得することにつながると考える。そして、日常生活や社会の中でもことばに向き合い、自分のことばで表現しようとし続けることばの学び手を育てていきたい。
本研究会では、一人一人の学びに寄り添いながら、主体的な学び手を育成することを目指している。他者との協働的な学びを通して、自分の考えの変容に気付き、学びの中で獲得したことばを自分のことばとして表現することのできる学び手を育てていきたい。そのために、次の点を大切にしながら取り組む。
日程(すでに終わったものを含む)
月日 | 内容 |
5月 | 総会 |
7月31日(水) |
国語指導講座 授業実践力向上講座 |
随時 |
部会・授業研修会(低・中・高) 毎月第3金曜日、18時から西陣中央小学校にて(変更となることがあります) |
令和8年1月23日(金) |
全国国語教育研究大会 会場:西陣中央小学校 |