研究大会のお知らせ

京都市国語教育研究会 創立百周年記念大会

第66回 全国国語教育研究大会

【大会研究主題】

  自らことばに向き合い 自分のことばで表現する子ども 

【日時】  令和6年2月9日(金)13:30~17:00

【場所】  京都市立御所東小学校

【公開授業】各学年の提案

【講演】  文部科学省 初等中等局 教科調査官 

      大塚 健太郎 先生

 全国国語教育研究大会(2次案内) -.pdff申し込みはこちら 

会長挨拶

ようこそ国語教育研究会へ

 

 本研究会は、大正9年に発足し、昭和30年には全国に向けて研究成果を問う全国大会を始めるなど歴史ある研究会です。コロナ禍の令和2年には、100周年を迎えています。

 ここ数年は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、授業研究を行うことができないこともあり、全国大会も残念ながら見送っていましたが、昨年度は、できることをできる形でと「研究交流会」として、研究してきたことを発信しながら参加者の皆さんと意見交換をする会を開きました。今年度については、「全国に向けて研究大会」を2月9日(金)行う予定です。研究の歩みを止めることなく、新しい研究の在り方を模索しながら研究を進めていきたいと考えています。 

 今年度の研究テーマは、「自らのことばに向き合い、自分のことばで表現する子」です。

 この1年間の研究活動としては、低学年部・中学年部・高学年部の2学年のまとまりごとで組織編制を行い、下記の4点に力を注いで研究を進めます。

●指導事項と結び付いた言語活動や学習課題の設定

●具体的な子どもの姿を想定した、評価の充実(系統的・段階的、子どもの姿)

●主体性を引き出すために授業者が、「授業をデザインする」という意識(指導の個別化、学習の個性化、GIGA端末の活用、ワークシート、ノート、板書など)

●授業を中心とした実践的研究の推進(国語科と他教科等との関連を意識したカリキュラム・マネジメント)

 

 日々の学習指導の中で、「国語科の授業展開がよく分からない」「書くことが苦手な子どもに、書く力をつける手立てを知りたい」「子どもたちが主体的にことばに向き合うには、どうすればよいか知りたい」「つけたい力を確実に身に付けるためには、どんな単元構想にすればよいか分からない」とお悩みの先生方、ぜひ一緒に研究していきましょう。多くの方のご参加をお待ちしています。

   (毎月第3金曜日、18時から御所東小学校で、

    低・中・高学年部会を行っています。)

 

       京都市国語教育研究会

       会長 髙橋 明希(京都市立御所東小学校)

 

 

ようこそ国語研究会へ

京都市国語教育研究会 ~私たちが目指すもの~

1 大切にしてきたこと

私たちは「一人一人の子どもを徹底的に大切にする」という京都市の教育理念を基にし、「ことばの力」を育てるための実践を積み重ねてきた。国語科の学習の基本的な考え方・多様な指導法を研究の基礎として、取組を継承・発展し伝え続けていきたいと考えてきた。その時代に求められることばの力を付けることを目指し、一貫して次のことを発信し続けてきている。

○子どもが主体的に活動する国語科指導

自らの課題を自覚し、方法を学び、見通しをもって学習できるようにし、一人一人が学んだことで自分の成長を自覚できるような個に応じた学習の流れを工夫すること

 

○ことばの力を育てる国語科指導

 音声言語や文字言語などの情報を理解し表現するための基礎・基本の言語能力を身に付け、学んだことばを用いて交流する中で、自分のことばとして獲得し、より確かな力となるようにすること

 

○授業研究を中心とした実践的研究

 協働的な学びを実現し、学び合う喜びを実感するとともに、交流する中でお互いのおもいや考えが高まり深まり合うような授業実践を大事にすること

 

このような積み重ねによって、確かなことばの力を育てるとともに、思考力・判断力・表現力を伸ばし、一人一人の子どもが自己実現を図り、主体的に生きる力を育成することを目指してきた。

 

2 今、求められる学力と国語科指導で目指すもの

Society5.0時代における持続可能な社会と幸福な人生の創り手として、予測困難な未来社会を多様な人々と協働しながら、未来を切り拓くことができる力を育てていく必要がある。

子どもの発達の段階を踏まえつつ、子どもたち一人一人の多様な能力・適正、興味・関心、性格、学習経験等を的確に捉え、一人一人の発達を支援していくことが重要である。これまで以上に子どもたちの成長やつまずき、悩みなどの理解に努め、個々の興味・関心・意欲等を踏まえてきめ細かく指導・支援することや、子どもたちが自らの学習の状況を把握し、主体的に学習を調整することができるよう促していくことが求められている。

学習指導要領では、知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むことを目指すに当たって、発達の段階や特性等を踏まえ、「知識及び技能」の習得と、「思考力、判断力、表現力等」の育成、「学びに向かう力、人間性等」の涵養という、資質・能力の三つの柱の育成がバランスよく実現できるよう留意することを示している。

  • 生きて働く「知識及び技能」が習得されるようにすること。
  • 未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力等」を育成すること。
  • 学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性等」を涵養すること。

学習指導要領では「何を学ぶか」という教育の内容を重視しつつ、子どもがその内容を既得の知識及び技能と関連付けながら深く理解し、他の学習や生活の場面でも活用できる、生きて働く知識となることを含め、その内容を学ぶことで子どもが「何ができるようになるか」を併せて重視している。そのため、各教科等の指導を通して育成する資質・能力を明確にすることが重要である。

国語科指導においても、子ども自身が学びの主体者となり、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」三つの柱の育成がバランスよく、そして確実に実現できるようにしていきたい。その際、一定の目標を全ての子どもが達成することを目指し、主体的に課題解決に向かうことができるようにしていくことが重要である。子どもたち一人一人が確かにことばの力を身に付け、自分のことばで表現することができるように、教師は一人一人の学びを見取り、寄り添っていきたい。

また、協働的に学ぶことも重要である。他者と協働することにより、新たな考えを生み出したり、自分の考えの特徴に気付いたりして、考えを広げ深めることができると考える。

これらのことから、研究主題を「自らことばに向き合い、自分のことばで表現する子ども」と設定した。国語科のみならず各教科や日常生活においても、主体的にことばに向き合い、自分のことばで表現する力を育てたい。そして、生涯に渡ってことばに向き合い、自分のことばにこだわりをもって表現し、ことばを学び続けようとする姿勢を育てていきたい。

 

 
 

令和5年度研究テーマ

自らことばに向き合い、自分のことばで表現する子ども

 

 

 

 

 

【自らことばに向き合う】

文章を読んだり、話をしたりすることを通して、子どもたちはさまざまなことばに日々触れている。自ら文章に向き合って繰り返し読んだり、相手意識をもってことばを選んだり、ことばにこだわりをもって向き合う姿を求めたい。そのために、子どもたち一人一人が課題をもち、課題解決に向かうことができるようにしたい。また、自分の考えを構築するために、思考するためのことばを自分で獲得することも必要である。文章を読んだり、話したりすることを通して、ことばに対する理解を深めると同時に、獲得したことばの質を高めたり深めたりすることを目指したい。

【自分のことばで表現する】

 子ども一人一人が「ことばに向き合う」ことで、さまざまなことばに出会い、獲得していく。このようにして獲得した知識・技能や経験を基に理解を深め、解釈したり自分の考えをもったりすることができる。さらに、自分のおもいや考えを友達と交流する対話や振り返りの中で、自分の考えを確かにするとともに、広めたり深めたりするという協働的な学びを通して他者と学び合うことにより、また新たなことばを獲得することにつながると考える。そして、日常生活や社会の中でもことばに向き合い、自分のことばで表現しようとし続けることばの学び手を育てていきたい。

 

3 今年度の研究の重点

本研究会では、一人一人の学びに寄り添いながら、主体的な学び手を育成することを目指している。他者との協働的な学びを通して、自分の考えの変容に気付き、学びの中で獲得したことばを自分のことばとして表現することのできる学び手を育てていきたい。そのために、次の点を大切にしながら取り組む。

  • 指導事項と結び付いた言語活動や学習課題の設定
  • 具体的な子どもの姿を想定した、評価の充実(系統的・段階的、子どもの姿)
  • 主体性を引き出すために授業者が、「授業をデザインする」という意識(指導の個別化、学習の個性化、GIGA端末の活用、ワークシート、ノート、板書など)
  • 授業を中心とした実践的研究の推進(国語科と他教科等との関連を意識したカリキュラム・マネジメント)

 

4 単元構想について

〇育成する資質・能力を明確にした単元構想

単元を構想するに当たっては、ただ活動するだけの学習にならないように、取り上げて育成を目指す資質・能力の発揮された姿を、具体的に想定することが重要である。どのような資質・能力を育成するのかを明確にした上で、「生かす」に至るまでの子どもの姿をイメージし、必要な学習活動を位置付けて、確実に資質・能力を育成することができる単元を構想し、指導計画を立てる。

「出会う」では、子どもたちが今まで付けてきた力を振り返り、見通しをもって単元の学習に向かうことができるような工夫をする。指導事項との結び付きを意識しながら、子どもたちの「学びたい」という学びに向かう姿を引き出したい。

「追究・表現する」では、一人一人が自分のことばにこだわりながら、課題解決に向かってことばに向き合っていく。ひとり学びやグループ学び、全体学びを通して一人一人の考えを高め合う活動を大切にする。このことが「生かす」での自己の学びの評価につながり、自己の変容を確かにすることができる。

  さらに、単元構想を考えるにあたり、「事前」「事後」において、国語科の他の単元における学習との関連や各教科等の学習との関連も考慮されなければならない。子どもたちが、すでに身に付けている資質・能力を確認しながら、子どもたちの言語能力が螺旋的に高まるよう、系統化した指導が行われるように留意する。

 

年間計画

日程(すでに終わったものを含む) 

月日 内容
5月 総会

8月2日(水)

国語指導講座

  (講義:大塚健太郎 調査官)

授業実践力向上講座

随時

部会・授業研修会(低・中・高)

毎月第3金曜日、18時から御所東小学校にて

2月9日(金)

全国国語教育研究大会(2次案内) -.pdf全国国語教育研究大会(講演:大塚健太郎 調査官)