最終稿【丹後】
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際に視聴した1年生からは,「動物や色をはっきり英語で言ってくれたからわかりやすかった」「一人一人違う英語があってまた教えてもらいたい」「私も難しい英語を言えるようになりたい」などの感想があった。これらの感想を2年生の児童に伝えると,第一声に「やってよかった」という言葉が出てきた。 このように,自分たちが目的をもって活動を進めたことによって,1年生に楽しんでもらえたこと,友だちと協力しながら自分たちの力で英語の読み聞かせができたこと,そしてその英語が伝わったことが大きな自信へとつながったのではないかと考える。 「1年生に読み聞かせを行う」といった場面,そして「1年生を楽しませるために」「1年生に伝わるように」といった目的を設定することで,児童の活動意欲や相手意識も高まり,よりわかりやすく伝える工夫を考えながら活動に取り組むことができた。また,活動中には児童の主体的に学ぼうとする姿も見られた。ここで得られた達成感や高められた自信が,3年生外国語活動に対する期待や意欲につながると考える。 第3節 価値付けの取組の実際 (1)活動の中での取組 〇Hello Song・あいさつの時 歌を歌いながら自分の気持ちを伝え合ったり,あいさつをしたりする場面で,指導者は「相手の目を見て伝え合うこと」を価値付けられるような場面を意図的に設定した。 1年生Unit1第2時での歌「Hello Song」の活動である。英語を使ってやり取りをする経験がまだ浅い状況であった。前を向いて歌いながら自分の気持ちを表現する場面と,友だちと顔と顔を合わせながら自分の気持ちを伝える場面を意図的に設定した。それぞれの感じ方を比較することで,体感的に「顔を見て気持ちを伝えること」のよさに気付けるようにした。歌い終わった後,全体で感想の交流を行った場面での指導者と児童Bとのやり取りである。 指導者「お友だちと顔を見てどうだった」 児童B「目を見たら自然に○○さんの思いが伝わって きました」指導者「目を合わせたら,どんな思いかわかった?」 児童B「楽しそうだった」 指導者「目でも心の中が伝わるんだね」 小学校 外国語教育 15 139 「相手の目を見て話しましょう」という指導者の言葉がけをよく耳にすることがある。指導者の呼びかけに対して,「相手の目を見る」行動そのものが目的となってしまっていることがあるのではないかと感じる。あくまで,その行動とは,互いによりよいコミュニケーションを図るための手段である。指導者による意図的な発問を繰り返し,児童が実際のコミュニケーション活動の中で行った工夫とそれに込められて思いを言葉で表現させることで,相手意識をもった行動に気付けるようにした。指導者が児童にどのようなことに気付かせたいのか明確な目的をもって活動を工夫することで,児童の気付きを促すことができると考える。また,最後に「目でも心の中が伝わるんだね」と指導者が児童の気付きを価値付けることで,改めて全体でそのよさについて共有することができたと考える。 〇中間評価の時 児童が実際のコミュニケーション活動を振り返りながら,よりよいコミュニケーション活動にするためにどうすればよいかについて考える時間が中間評価である。中間評価のときに,児童の良い姿を共有するだけでなく,指導者から「どうしてそのようにしようと思ったのか」「その姿を見てどう感じたか」など意図的に発問しながら,互いの気持ちを共有させることで,児童はそのよさに気付くことができると考える。このように,コミュニケーションを図る上で大切な「相手意識」について考える機会を意識的に取り入れた。 2年生Unit1「くふうして数をたずねたり答えたりしよう」の学習活動では,児童がそれぞれ作成した「いくつかなクイズ」を通して,「How many~?」や数を表す英語表現に慣れ親しむと同時に,お互いに楽しめる工夫について考えながら活動を進めた。 実際に活動する前に,児童と一緒にデモンストレーションを行った後,全体で「『工夫して』とはどういうことなのか」を児童に問いかけた。児童の口から「どっちも楽しめる工夫」という言葉が出てきて,指導者が「答える人もクイズを出している人も楽しめる工夫」と言い換え,全体で共有して活動を開始した。前半のコミュニケーション活動を終えて,児童に「友だちのよかったところや自分のできたところはありましたか」と尋ねた。次に示すのが,ある児童と指導者とのやり取りである。

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