G0901 報告 608 Key words:相手意識,非言語的要素,伝える工夫・聞く工夫,場面・目的設定の工夫,価値付け グローバル化社会を生きる子どもたちは,この先,国々の課題だけでなく,世界レベルで解決していくべき問題に取り組む主体者となることが見えている。言語や文化の違いだけでなく,価値観や背景が異なる人々と相互理解を深めながら,課題解決に向けて自らコミュニケーションを図ることができる力は必須である。そこで,本研究では,こういった背景から求められる「コミュニケーション能力」に着目し,低学年における英語活動を通して,相手意識をもって主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を目指した。 実践では,単元最終のコミュニケーション活動の目的や場面設定を工夫するとともに,聞く力から伝える力につながるような読み聞かせの活動を設定した。また,相手意識のある児童の姿を価値付けることで,その有用性に児童が気付き,自分に取り入れようとする姿を目指した。 実践を通して,非言語的要素の有用性に気付き,言語情報を補うものとしてコミュニケーションに生かそうとする意識の高まりがうかがえた。相手の言っていることを確かめたり共感的な姿勢を示したりしながら聞く姿とともに,言語だけでなく,身振りや表情などを工夫しながら相手によりわかりやすく伝えようとする姿が見られるようになった。 123 丹後 由香(京都市総合教育センター研究課 研究員) -児童の気付きを大切にした取組を通して- 主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度の 育成を目指した英語活動
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