図3-1 たし算の筆算とステップチャート 「計算をする」「繰り上げる」という2種類の 表3-1は3年生の年間計画である。3年生では各教科等の指導事項を踏まえ,分解(多面的に見る)及びアルゴリズム的思考を習得することを目指した。 図3-2 単元終盤の板書 す思考ツール等を表している。なおこの計画には,実践開始段階から計画していた単元だけでなく,実践を進めていくうちに研究協力員が自主的に取り入れた単元も含んでいる。 さらに,いくつかの単元については具体例を紹介する。ただし,学年や単元が異なっても思考スキルや思考ツールの使い方が似通っているものは, 紹介を省略する。 (1)分解,アルゴリズム的思考の習得・選択活用を目指して~3年生での実践から~ 表3-1思考スキルを育むための3年生の年間計画 ①動きの分解とアルゴリズム的思考の習得 算数科「たし算とひき算のひっ算」においてたし算やひき算の筆算の手順を考える場面で,動きを分解しわかりやすく順序立てる思考を促すためにステップチャートを使用した。 小学校 プログラミング教育 11 単元序盤では,指導者が児童の考えを表すために,一つの動作をカードに書き,それをステップチャートのように順番に並べていた。半数近い児童にとっては昨年度慣れ親しんだステップチャートである。説明するときに使える道具だということを思い出した幾人かが書きたいと言い出し,自分でも書いてみようという雰囲気が学級に広がった。児童が書いたステップチャートの例を図3-1に示す。 要素で構成された,非常にシンプルなものである。「8+4=12なので十の位に1繰り上げて,1+7+1で9と書きます」のように文章で書く児童もいるが,ステップチャートにして表したことで説明が簡潔になった。さらに,8+4のような具体的な言葉を一の位,十の位などの一般化された言葉で記述することができるようになっている。 一方,図3-2は単元終盤のものであるが,たし算からひき算に変わったことで,「計算できない」「繰り下げられない」という判断の要素が加わっている。 15
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