616_R4「個別最適な学び」と「協働的な学び」最終稿【椙村・寺井】
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小・中学校 教科指導(算数科・数学科) 35 とも曖昧な所感である。実践中に、子どもが言った心に残る言葉があった。それは、「いまの勉強は、一番やりたいのを先にできるのでわくわくドキドキできるのでうれしい!みんなで行動することもよし。一人でどんどん進めるのもよし。自由に進められるのがいいな。勉強が前よりも好きになった。」という言葉である。笑顔でそんな話をしてくれることで、明日も頑張ろうと思えた。我々教育者は、予想困難な社会を生き抜く子どもたちのために様々な力を育んでいくことが求められている。しかし、その力を表層的にみるのではなく、その力はいったい子どもたちの幸せにどのようにつながるのだろうかと考えることで、これからの授業の在り方が見えてくるのではないかと思う。「個に応じた指導」を、子ども主体に捉えるだけで大きく授業が変化したように。その学校教育の先に、子どもたちの幸せがあり、私たち教育者としての幸せがあるかもしれないと感じさせてもらえる実践であった。 最後に、日々の教育活動が大変忙しい中にも関わらず、本研究の趣旨を理解し協力してくださった京都市立御所東小学校、京都市立嵯峨野小学校、京都市立中京中学校、京都市立近衛中学校の校長先生をはじめ、新たな授業の在り方について共に探りながら2年間実践してくださった研究協力員の先生方や教職員の皆様、そして、学びとは何かを教えてくれた子どもたちに、心からの感謝の意を表したい。 69

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