図3-21 単元「比例と反比例」のオーセンティックな学習課題(比例のみ) 第6時の課題選択学習に入る前に指導者は学習の仕方について次の三点について確認した。 【授業の実際】 (第6時) 小・中学校 教科指導(算数科・数学科) 24 図3-22 学習プリントの例 58 発展課題2 昨年度、成人年齢が18歳に引き下げられ、選挙で投票したり、家の賃貸や携帯電話など親の同意を得ずに契約を結んだりすることができるようになりました。あなたは将来、一人暮らしや、車や家の購入、会社の経営など、自分の理想の生活が送れるようにするために、お金のマネジメント力(管理・経営する力)をつけたいと思います。 そこであなたは、まず携帯電話の契約を結ぶために、無駄使いにならない、自分に適したプランをどれにするのか考えたいと思います。自分の生活を考え、1か月間の携帯電話の使用データ量を予測し、どちらのプランで契約を結ぶか考えましょう。 <学習条件> ・1日の使用データ量から1か月の使用データ量が予測できるグラフと式をかき表すこと。 (使用データ量は毎日同じと考えること) ・自分に合ったプラン名とその理由をグラフと関係付けて説明すること。 【学習課題の意図】 ・比例の考え方が、予測を立てる際に生かせることに気付くようにする。 ・前時の学び方を振り返り、自分に適した学習方法で取り組むこと。 ・答えを求めるだけでなく、考え方を図示したり、順序立てたり、考えを友だちに説明したりすること。 ・確認問題や発展課題の成果物の作成(計算し答えを求める部分など)は一人で行うこと。 児童は、学習開始とともに自分で立てた学習計画にそって学習課題を選択し、それぞれ学習を進めた。ただ、ほとんどの児童は、単元計画表で示された順番で学習課題に取り組んでいた。第6時に取り組む、教科書の問題をベースとした学習プリントの一部分を図3-22に示す。学習プリントには、学習の手順なども示し、自立的に学習を進められるようにした。また、単元や各学習課題で身に付けさせるべき力を育めるようにするために、考えさせたいところを問題1-②のように解決条件を付け加えたり、学習の手順の中に数学的活動を取り入れたりした。 児童は同じ課題を選択した友だちとペアになって学習したり、前時のノートを見ながら一人で学習を進めたりするなどし、振り返りの記述を見ると、自分が理解しやすい学習方法を選択していたといえそうである。中には、7人グループという大人数で学習を進めようとする児童もいた(次ページ図3-23)。
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