(2)実践の具体 ○単元末課題選択学習(2~3時間)~4年生「面積」(全11時間)~ 【単元について】 本単元は、面積の単位(㎠、㎡、㎢、a、ha等)について知り、正方形や長方形の面積の求め方について理解できるようにすることを主なねらいとしている。全体での問題発見・解決プロセスでは、正方形や長方形の面積は、1㎠や1㎡の正方形が何個分あるのかと考えたり、L字型や凹字型などの複合図形を、長方形や正方形に分けて考えたりするなど、他者と共に様々な面積の求め方を考え説明する学習活動を設定し、単元で身に付けるべき力を育めるようにした。そして、「学習の個性化での問題発見・解決プロセス」では、以下のオーセンティックな学習課題を提供し、日常生活や社会でも働く見方・考え方を伸ばし、学びを深め広げることができるようにした。 小・中学校 教科指導(算数科・数学科) 19 発展課題1 教科書やつくえ、運動場など、自分が調べたいものや場所を、ものさしやメジャーを使って面積をもとめてみま しょう。 <学習条件> ・もの、場所の長さを実際に測ること ・面積を計算で求めること ※三つ以上は別の単位で求めること。 【学習課題の意図】 ・自分が興味のあるものや場所の長さを実際に測るという活動を取り入れることで児童の活動意欲を高め、量感も育む ・様々な場所での測定の経験が、学校の学習場面以外でも働かせることのできる数学的な見方・考え方を伸ばすことにつながる 発展課題2 お城は敵から守るために、お城の周りにおほりを造ったり、お城を複雑な形にしたりするなど、いろいろな工夫がされています。もし、あなたがお殿様なら、どんな形のお城を造りますか。 <学習条件> ・方がん紙にお城の形をかくこと ・人が住む(お城の)面積を求めること 【学習課題の意図】 ・社会科等の地図を活用した学習と関連付けることで、他教科で数学的な見方・考え方を働かせられるようにする。 ・地図を見る際に、土地の形や建物を正方形や長方形といった図形やその組合せとして捉えられるようにする。 ①の視点は、本研究のねらいである、算数科の学習に限らず様々な文脈の中で働かせることのできる数学的な見方・考え方を伸ばす意図がある。また、既習の学習内容と関連付けることで、学習した学びを何度も活用する必要が生まれるため、より学びを深め広げることにつながると考えた。 ②の視点は、魅力的な活動を取り入れることで、児童の学習意欲を高める意図がある。また、実際に目で見たり手で触れたりする経験は量感を豊かにし、学習以外の様々な場面でも数学的な見方・考え方を働かせることができるようになると考えた。 ③の視点は、数学的な見方・考え方は、身の回りの課題解決に役立てたり、自分たちの人生や社会をよりよいものにしたりすることができるものだと捉えられるようにする意図がある。学習したことを生かしながら、児童の豊かな発想をもとに、問題発見したり解決したりできる力が育まれることを期待するものである。 オーセンティックな学習課題は、児童にとって馴染みのある言葉を用いて、発展課題として提供することにした。 53
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