図2-5 数学的な活動の例 右に示すのは、昨年度の実践後に行ったアンケートの結果である。考えを図式化し、相手に考えを伝える数学的活動により、筋道立てて考え、簡潔・明瞭・的確に表現する力を高めることができた。本年度も「全体での問題発見・解決プロセス」において、この三つの数学的活動を基本として行っていくものとする。 小・中学校 教科指導(算数科・数学科) 9 ②課題の選択(単元末:50分間) 単元末の授業では50分間のほぼ全ての時間を生徒に委ね、学習方法に加えて、学習課題を生徒自身が選択できる授業とし、それができるように図2-4のように単元を計画する。 学習課題の内容は単元を振り返って取り組めるものやオーセンティックな学習課題など、複数の課題を設定し、自分の理解度に応じた学習課題を選択して取り組むことができるようにする。また、自分一人で考えるだけではなく、他者と学び合うなど生徒自身が自分に適した学習方法を選択することによって個々の学びがより深まることをめざす。そうすれば、生徒自身が1時間の自分の学びについて記述し、学習方法を選択して学ぶことや、指導者が他者との学びの中でどのように学んだかを振り返る場面をつくることで、後の学習の中で自分に適した学習方法を選択することにもつながると考える。 (2)小学校算数科 小学校算数科では、昨年度の実践で行った、1時間のうちに20分程度設定する「自力解決」と「学び合い」の時間の中で学習方法を自己選択・決定できる授業を継続し、本年度はさらに、単元末の2~3時間もしくは単元全体で自分に適した学習方法や学習課題を自己選択・決定できる授業デザインを提案する。 数学的活動として昨年度と同様、ア、イ、ウの三つの活動を必ず行うこととする(図2-5)。 ア:考えを図式化する イ:考えを順序立てる ウ:自分の考えを伝え合う ア:考えを図式化する例 (昨年度 3年生の実践より) イ:考えを順序立てる例 図2-4 単元の授業設計(例) (昨年度 5年生の実践より) ・少しでもわかってもらえるように一回一回の説明の仕方を改善して次に生かせるように意識するようになった ・図やグラフ、表などを使って説明するとわかりやすく伝わることがわかったから、どのような図や表、グラフで表せるかを考えることが多くなった 43
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