椙村 契・寺井 淳(京都市総合教育センター研究課 研究員) G03-01 報告616 Key Words:個別最適な学び、協働的な学び、課題選択、自己選択、オーセンティック これからの社会を生きる子どもたちには、将来課題に直面したときに多様な他者と協働して解決する力や、自ら課題を発見し解決していく力を育成していくことが求められている。自ら課題を解決するためには一人一人に適した学び方を獲得することが必要であり、授業の中でも「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実していくことが大切である。 本実践では単元で育まれた数学的な見方・考え方を働かせ、子ども一人一人が学習課題を選択したり、発見したりして問題を解決していった。指導者が一斉に学習活動を区切ることをできる限り少なくし、子どもが様々な学習方法(学習道具、学習形態、学習場所)や学習課題を授業の中で自己選択できるよう柔軟な学習時間を設定し、子ども自身が学習時間を調整できる授業デザインを提案し実践を行った。また、選択する学習課題をオーセンティックな課題(現実社会の文脈に近付けた課題)とすることで、授業で育んだ数学的な見方・考え方を教科の中だけでなく、日常生活など実社会の中でも働かせられるようにし、子ども一人一人の資質・能力を一層高めることを目指した。 実践の結果「わかる、理解できる、考えが広がる・深まる」といった“学び”を実感している様子や、学んだことを他の場面で生かせると考える子どもが増加するなど、日常や社会生活でも働く数学的な見方・考え方が育まれたことがうかがえた。 -算数科・数学科における課題を選択し自立的に学び合う授業の提案- 33 授業の在り方を求めて 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の
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