表2-6 OJTを意識した取組を進めるにあたっての課題(複数回答可) *数値は割合(%)を示す 118 (6)OJTを意識した取組を進めるにあたっての課題 OJTを意識した取組を進めるにあたっての課題についての回答をまとめたものが表2-6である。全ての対象で最も多かった回答は、「個々の仕事が忙しくて余裕がない」であった。次に多かったのは、「新たな取組への負担感が大きい」で、やはり教職員の忙しさはOJTを進める上で大きな課題となっている。だからこそ、新たに取組を増やすのではなく、既存の取組をより効率よく効果的に行う工夫が必要なのだと言わねばならない。これは、働き方改革にも合致する。 また、学校長と教務主任・研究主任で3番目に多かった回答は「推進するリーダーがいない」であった。その他の記述の中には、「若手教職員が多いため手本となる教職員が少ない」「教職員の年齢層に偏りがあるためリーダーを育成する体制が取れない」という回答もあり、自校だけではミドルリーダーの育成が難しい状況もあるということがわかった。さらに、キャリアアップ研修受講対象者と採用2・3年目教員の約25%が「どのように進めればよいか分からない」と回答している。教務主任・研究主任も約15%が同じように答えていることから、どうすればOJTをうまく機能させることができるかについて具体的に示す必要があると考える。 第3節 アンケートから見えてきたこと アンケートを通して、本市のOJTの実態や課題を把握することができた。やはり、一人一人の教職員や学校によってOJTの捉え方や取り組み方に大きな差が見られた。そして、世代間や学校間の差を少しでもなくしていくためには、OJTの意義や有用性、具体的な取組や方法等を広く知らせる必要があると感じた。 一方、OJTを意識した具体的な取組についての記述内容を見ると、様々な課題を抱えながらも、工夫して取組を進めている学校も多く存在した。例えば、 などである。その中でも、アンケートでOJTに対する意識がどの世代でも比較的高かった学校の記述内 容を見ると、次のような傾向が見て取れた。 ・世代の異なる教員でのグループ協議 ・若手研修や課題別の任意研修の計画、実施 ・自分の得意分野や研修で学んだことなどを発信し、交流し合うミニ研修会の実施 ・Teamsで教材、板書、指導案などを共有 ・校務分掌を整理し、部・係・担当・委員会など、中規模集団の活性化 ・全ての教科、分掌においてPDCAサイクルを意識した取組を推進 ・教室配置や職員室の座席配置の工夫 〇気軽に相談したり、自分の思いや考えを出したりしやすい職場環境にするためのしかけや工夫がある。 〇学校独自の学ぶ場や、学び合いの機会が設定されている。(独自の名称をつけ、教職員のニーズに応じて取り組んでいることが多い。) 小・中 日常的なOJT 12
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