617_R4「読み解く力」最終稿【中村寿・中村洋】
7/33

(2) 中学校 ③ 修正する活動 図2‐2 グラフ作成ワークシート 図2‐3 論証フレームワークシート 小・中 読み解く力 5 「論証フレーム」(9)は、図表等から取り出した情報を活用し、その際、必要な用語を正しく使う取組である(図2-3)。論証フレームの出発点は「グラフ作成ワークシート」で作成した観察、実験の結果を表したグラフ等である。この論証フレームは、観察、実験の結果の解釈を求め、学習問題に対する自分の考えをつくり、その根拠を明確にするために用いるものである。このワークシートでは、観察、実験の結果の解釈の際に、図表等から情報を取り出す過程と、結果の解釈や考えをつくるときに必要な用語を用いて文や文章を記述させることが大切にできるようになっている。また、論証フレームを活用して、一人一人の考えた考察をグループやペアで共有し、学習した語句を使って話し合ったり、考えをまとめたりする活動を行うことにより、学習した語句を使う機会をつくっていくこともできる。これらを用いた学習活動を繰り返すことで、理科における観察、実験の結果を根拠として筋道立てて考える力を育むことにもつながると考える。 学習した語句の意味や使い方をより確かに理解し、学習を振り返って自分の学びを筋道立てて説明することができるように、授業終盤で、学んだことや学び方をペア、グループなどの他者と説明し合う活動を行う。その際、次のような視点をもって聞き合い、互いにアドバイスをし、自分の考えや説明を修正する機会にする。 ・語句が適切に使えているか ・どのような観察、実験をしたのか(学習の過程、学び方) ・何がわかったか(学んだこと、キーワードを入れて) ・なぜそう思ったのかの理由がわかるか ・相手に伝わりやすい説明になっているか 小学校と比べて新出の用語が多い中学校の授業では、生徒が教科書を自ら読み取ることにより、用語を身に付けたり概念を理解したりすることが求められるため、生徒が教科書の主に連続型テキストから正しく情報を取り出せたかを確認する「読み解きチャレンジ」を行う。また、非連続型テキストのうちグラフについて、「グラフ読み取りガイド」を用いて情報を取り出し、その解釈を文や文章で書き表す活動を支援する。 ① 読み解きチャレンジ 生徒が自主的に予習してきた場合や、指導者の指示で事前に教科書を用いた学習をしている場合、自分なりに理解してきた内容が必ずしも正確であるとは限らない。そこで教科書の文や文章を正しく理解77

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る