「予習したときに気づかなかった、自分のわからなかったところとかがわかる」と回答した生徒は個別の聞き取りで、「読み解きチャレンジをやることで、自分がわかったつもりになっていたことに気付き、授業を聞くことができた」と答えていた。毎時間予習をして授業に臨んでいる生徒からのこの感想は、テキストを読み解くことに課題がある生徒だけにとどまらない、多くの生徒に対して一定の効果があったと捉えることができる。また、「読み解きチャレンジがあったおかげで授業中に「あっこれ出てきた」となってわかった。」と答えた生徒は、「読み解きチャレンジで間違えて解説(フィードバック)を読んでから授業を聞くとわかるし、事前に解いた問題のことが授業で出てくると『あ、これ(問題に)出てきた』ってなって覚えてる」と答えていた。教科書のテキストをもとに、授業で扱う内容を事前に自分なり読み解く時間を設定することで、授業内容の注目点を印象付けたり、学習内容の理解につながったと考えられる。 ② 課題 図4‐8 アンケート結果 図4‐9 アンケート結果 小・中 読み解く力 28 100 それと同等の疲労感を感じていると答えた生徒が70人、記述式よりも疲れると答えた生徒が45人と、選択式にも関わらず、概ね記述式の問いと同等、またはそれ以上の疲労感を感じている生徒が80%近くに上った。しかし、図4-7「どのような気持ちで取り組んでいましたか。」の回答からは、「前向き」の回答が43人、「どちらでもない」と中立的な回答が84人と、疲労感を感じる生徒が多いにもかかわらずモチベーションの低さは認められなかった。この理由として、図4-8「学習の効果はどれくらいあったと感じていますか。」の回答に、「効果あり」が67人と回答者の45%もの生徒が効果を実感している一方、「効果なし」と回答している生徒が11人と回答者の7%にとどまっており、つまり疲れるけれどもやりがいがあると感じていたことが挙げられる。これは読み解きチャレンジの感想(アンケートの自由記述欄)に書かれた内容からもわかる。(表4-1) 表4-1 読み解きチャレンジの感想 ・予習したときに気づかなかった、自分のわからなかったところとかがわかる。 ・読み解きチャレンジがあったおかげで授業中に「あっこれ出てきた」となってわかった。 ・授業に読みチャレのことが出てくるとわかりやすくできる。 ・読みチャレをすることで、理解がはやくなったような気がする。 ・問題を読み、教科書から探す力が身についた。 図4-9は教科書について「文が多い 難しい」と回答した生徒の実践前後の割合を比較したものである。全体を見ると、27.7%だった実践前の回答率が、実践後に25.0%となり、実践前後で若干減少したとみることができる。しかし、実践前に「文が多い 難しい」と回答した生徒が実践後にも「文が多い 難しい」と回答しているか、また、実践後に「文が多い 難しい」と回答した生徒が実践前にも「文が多い 難しい」と回答しているかを調べると、実践前の回答者27.7%のうち、12.2%が実践後にはそう回答せず、実践後の回答者25.0%のうち9.5%は、実践前にはそう回答していなかったことがわかった。前者は教科書のテキストを読むことを繰
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