617_R4「読み解く力」最終稿【中村寿・中村洋】
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0%とてもそう思うそう思うあまり思わない思わないわからない n=171 図4‐5アンケート結果⑤自分の考えを友だちに説明することで、自分の考えを見直すことができましたか43ふり返りを書くことで、学習したことを自分の中でせい理することができましたか3520%40%図4‐6 アンケート結果 図4‐7 アンケート結果 小・中 読み解く力 27 293360%また、研究協力員への聞き取り調査の中で教科書を活用することに対して、「指導者が授業の中で教科書を活用していくと、子どもたちもわからないことがあったら教科書を活用して確かめる姿が多くみられるようになった」という意見があった。また、「実験の結果が分かる前に教科書を見たら、子どもたちのやる気が下がるのではないかと思っていたが、教科書を活用した実践を行ってみると、先に読んだとしても子どもたちに影響はなかった」「子どもたちはやってみないとわからないという意識で授業に参加していた」という意見が得られた。研究協力員の聞き取り調査からもわかるように、教科書を活用しても授業の活発さが失われることはなく、教科の目標が達成されやすくなったと感じられた。 (3)修正する活動 図4-5から、「ふり返りを書くことで、学習したことを自分の中で整理することができましたか」、「自分の考えを友だちに説明することで、自分の考えを見直すことができましたか」という質問に対して、7割ほどの児童が肯定的に受け止めている。これらのことから、多くの児童が学習終盤の振り返りの中で自分の考えを整理し、友達に考えを説明することで、自分の考えを見直し、より正しい理解へと修正することができていたといえる。修正する活動を通して、今までの振り返りよりも、書く内容を意識している姿が見られた。活動を繰り返す中で、教科書やノートを見て、学習した内容や語句の意味を「自分は、正しくわかっているのか」という視点で振り返り、よりよい表現になるように修正する姿が見られた。 その一方で、児童への聞き取り調査からは、 「振り返りはたくさん書くから、疲れる。各時間がもう少しあればいいと思います」 「振り返りに書くことがたくさんあってたいへん」 というように、マイナスのイメージを抱いている児童もいた。研究協力員への聞き取り調査の中で、「振り返りを書いて、その後に説明する活動を行うための時間の確保が難しい」との意見もあり、児童に振り返りをする時間をどのように確保していくのかが今後の課題だといえる。 第2節 中学校における実践の成果と課題 (1) 読み解きチャレンジ ① 成果 図4-6、4-7、4-8は実践後に行った読み解きチャレンジについてのアンケート結果である。アンケートは0から10の数字を選んで回答するもので、それを肯定的な回答、中立的な回答、消極的な回答の大きく3つに分けて示している。図4-6「記述式の問いと比較して、疲労感はどうですか。(変わらなければ「5」にしてください。)」の回答をみると、解答を文章で書き表す記述式の問いと比較したとき、読み解きチャレンジが99 212686 1780%100%

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