理科の授業の中で教科書を読むことで、理科の学習がよくわかりましたかこれからも、理科の学習の中で教科書を使っていきたいですか0%とてもそう思う図4‐4 アンケート結果④ 335820%40%そう思う小・中 読み解く力 26 553460%あまり思わない思わない98 クシートを活用し、図表等から読み取った情報を言葉で表現することを何度も繰り返すことで、考察を書くことができ、説明することができるようになってきた。つまり、取り出した情報を活用して思考し、筋道立てて説明する姿が見られるようになった。 児童は、図表等の資料から必要な情報を言葉にして取り出し、自分の考えの根拠として表現する活動を繰り返すことによって、自分の考えを伝えるために、実験結果から情報を取り出すことが大切であり、必要な情報を取り出そうという意識が高まった。図4‐3に示すのは実践の初め頃と実践の終わり頃のF児の考察の記述である。実践の初め頃に比べて、実践の終わり頃になると実験結果から必要な情報を取り出し、実践の結果を的確な言葉で表現することができている。研究協力員の聞き取り調査の中で「初めは必要な情報を取り出すことができないことや、実験から言えないことまで書いていることもあったが、このワークシートを使って考察を書くことを行っていると、結果から必要な情報を取り出すことができるようになってきた」「論証フレームで思考の流れがわかりやすくなることで児童にとって情報が取り出しやすかった」という意見が得られた。 また、グラフ作成ワークシートを活用することに関して、研究協力員から「グラフを自分で考えてかくことで、グラフに何が書いているのかがわかり考察が書けるようになった児童もいた」という意見が得られた。情報を取り出す力が高まり、それに付随して、関連付けるなど活用して思考すること、解決のプロセスを筋道立てて説明する力も付き始めたと感じられた。 また、教科書を活用し、意図的に読む機会を設定してきた。図4-4は、児童の教科書を読むことに対する意識について調査した結果である。 多くの児童が、教科書を活用することに有効性を感じている。「理科の授業の中で教科書を読むことで、理科の学習がわかりましたか」「これからも、理科の学習の中で教科書を使っていきたいですか」の質問に対して、9割近くの児童が肯定的に受け止めている。その理由として、以下のような回答が得られた。 3年 「わからなくなったときに見るとわかるから」 「学習で学んだことを復習したり見直したりできるからです」 「理科の教科書を読むと、勉強になるし、文章を読むだけでなく、写真で表すと、こういうことかということが心に伝わるから」 5年 「自分の考えと教科書を見比べることができ、考えをつけ足したり確認をすることができるから、考え方の幅が広がりやすくなるからよく読むようにしています」 「自分たちで考えた結論とかを、教科書を見ることで、自分たちの意見と比べたり、より詳しく説明できるようになるし、その言葉をつかって、教科書を見る前よりわかりやすく説明できて、自分も納得いくから」 「自分らで考えた意見より、ちがうことだったり、他にもこんなことがあるんだなと思ったりして、理科の勉強がより深まるから」 このように、3年生と5年生で教科書を活用することの有効性を感じる理由が少し異なっていた。3年生ではわからないときに活用できる一つの手段として児童は捉えているようである。5年生では、それに加えて、自分の考えをより広げるために活用する参考書のように捉えているようである。 508225 80%100%わからない n=171
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