図3‐14 教科書を参考にしている様子 図3‐15 読み解きチャレンジに取り組む様子 小・中 読み解く力 16 88 図3‐13 考えを修正し、ワークシートに記録 【授業の実際と児童の様子】 〇学んだ語句を使って説明する活動 論証フレームワークシートを活用し、考察を書いた。多くの児童が、実験結果からどのようなことがいえるのか(結果の分析)を自分の力で書くことができている。そして、その内容をグループの中で説明することで、自分の考えを修正することができていた。このワークシート(図3‐13)を書いた児童は、友だちに「水溶液を温める実験をした時は結果が前回の実験結果と変わらなかったけど、水の量を増やすと物によるかもしれないけど溶ける量は増えた」と説明したところ、友だちはこの児童が塩の溶け方についてのみ思い浮かべていると気付き、「ミョウバンと塩の溶け方の違いについて書いたほうが、わかりやすいと思う」とその児童にアドバイスした。このアドバイスにより児童は、塩以外のもの(みょうばん)の溶け方について改めて思い起こすことができたのであろう、「塩だけ」という言葉を書き加えることにより、物が溶ける現象を伝える的確な表現にすることができた。 〇教科書活用の様子 学習問題に対してどのような実験方法が考えられるかを学級で話し合った後に、指導者が安全のための最小限の注意点を伝えた上で、児童は教科書を実験の手順書として自ら読み、グループで実験を進めていった。 また、まとめ・振り返りの段階は、すでに実験器具を片付けた後であり、実験の具体を思い出しにくいので、児童は教科書の写真や図を参照することにより、どのような実験をしたのか再確認していた。こうして自分の説明を見直す際の一つの手段として教科書を用いていた(図3‐14)。 第2節 中学校での実践 (1) 毎時間、教科書を読むことで 読み解きチャレンジは、授業の導入、または家庭学習のいずれかのタイミングで実施した。 読み解きチャレンジには、教科書の内容を正確に読み取れているかを確かめる問いのほか、その日の学習によって説明できるようになる現象を予め示し、体験に基づいて予想させる形式のものもある。
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