86 図3‐11 校区にあてはめた活動でも、学んだ語句を使用する 何度もこれらの語句を使用する中で、初めは「浸食・運搬・堆積」の意味を混同してしまい正しく語句を使用することができなかった児童が、実験結果の写真や図と語句を何度も関連付けて考え、表現することを繰り返すことで、正しく語句の意味を理解し、表現することができるようになってきた。 〇教科書活用の様子 自分たちの結果から考察、結論を考えた後に、指導者が「自分たちの実験結果、考察からの結論と教科書での結論を見比べてみて、同じところ、違うところはありませんか」と問いかけて、自分の考えを確認したり、考えを付け足したりすることができるようにした。本単元の学習の中で、児童は「流れる水には、土をけずったり、けずった土をおし流したり、積もらせたりするはたらきがある」という結論を書くことがあった。その時に自ら教科書を参考にし、「流れる水が地面などをけずることをしん食というのか」などと、自分なりの表現と教科書の用語とをつなげて理解している様子であった。 (3)学びや気付きを説明し合うことで ①3年生「地面の様子と太陽」 【授業の概要】 A校3年生で実践を行った「地面の様子と太陽」では、学習終盤における振り返りの場面で、学んだ語句を正しく使って分かりやすく説明できているのかを友だちと聞き合う中で自分の表現を修正する機会をつくった。 全単元10時間の第3時である。学習問題「時間がたつと、かげのいちはどのようになるのでしょうか」に対して、実験結果から論証フレームワークシートを活用して一人一人が考察を書き、考えを学級で共有し、学習のまとめをしたあとに、振り返りを書いた。学習終盤での振り返りで、各自に本時で学んだことをまとめて説明させる活動を行うことで、自分の学んだことを学習した語句を使用して振り返るとともに、友だちに説明し合うことで、お互いに学んだ語句を正しく使って説明できているかをチェックし合い、自分の説明を修正することができるようにした。 【授業の実際と児童の様子】 〇学んだ語句を使ってのまとめ・振り返りの記述 記述にあたってはテレビモニターに、まとめ・振り返りのポイントを掲示した。 ・どのような観察、実験をして(学習の過程、学び方) ・何がわかったか(学んだこと、キーワードを入れて) ・もっと知りたいこと、わからないこと 児童は、教科書やノートを見て、学習した過程や学んだことを想起し、3つのポイントに沿ってノートに記述していた。指導者がポイントを示すことで、「かげのいちを時間ごとに調べるじっけんをして、かげのいちは西から北、東に動くということが分かりました。もっと知りたいことはどうしてかげが北小・中 読み解く力 14
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