617_R4「読み解く力」最終稿【中村寿・中村洋】
14/33

②5年生「流れる水のはたらき」 【学習の概要】 図3‐8 導入での資料 小・中 読み解く力 12 図3‐7 実験で記録している様子 84 図3‐6 児童が記入した論証フレームワークシート B校5年生で実践を行った「流れる水のはたらき」では、教科書を活用するとともに、論証フレームワークシートを活用する中で情報を取り出すことやその情報をもとに、自分の考えを根拠を明らかにして述べることができるようにしていく取組を行った。 本単元は、流れる水の速さや量に着目して、それらの条件を制御しながら、流れる水の働きと土地の変化を調べる活動を行う。その活動を通して、流れる水の働きと土地の変化の理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に予想や仮説を基に、解決の方法を発想する力や主体的に問題解決しようとする態度を養うことを目標としている。 実践は、全14時間中の第3時である。本時は、学習問題を「流れる水にはどのような力があるのだろうか」とし、流水実験器を使って実験を行った(図3‐7)。各グループの実験結果を学級で共有し、そこからどのようなことが言えるか各自が主張を記入した。そして、その根拠となる情報を確かめ、筋道立てて説明する活動を行った。 【授業の実際と児童の様子】 〇導入での目的意識をもたせる工夫 単元の導入場面で、B校の近くに流れている川の普段の様子を増水している場面と比較させた(図3‐8)。児童は、「いつも見ている川の色が茶色になっていてこんなに変わるのが不思議でした」「大雨の後の川の水の量や色がなぜ変わるのか気になりました」など、自分事として流れる水のはたらきについて学習を行うことを捉えている様子であった。児童に単元の最後に、学んだことを生かして自分たちの街を災害から守ることについて考えることを伝え、学習内容が生活につながるものであることを示して目的意識をもって学べるようにした。

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る