〇考察「けっかのせつめい」「しゅちょう」の欄に記入する場面 【しゅちょう】 「日なたの温度と日かげの温度は同じ時間でも日なたの方が高い」 「日なたと日かげの地面の温度は、日なたの方があたたかい。また時間によって地面の温度はかわる」 「だいたい10~5どぐらいのちがいがある。だいたい日なたのほうがおんどがたかかった」 図3‐4 グラフ作成ワークシート 図3‐5 グラフ作成ワークシートに記入する様子 小・中 読み解く力 11 このような発問をすることで、児童一人一人が考えて棒グラフに内容を記入する姿が見られた。 考察の場面では、このグラフをもとに、学習問題に対する自分の考えを自分の言葉で記入した。その際に、思考を支援するため論証フレームワークシート(図2‐3)を活用した。 使用する際に指導者は次のような注意を促した。 ・考察では、結果からわかる、学習問題に対する自分の考えを書くこと ・「結果からわかりました」では、なぜそう考えたかが伝わらないこと ・結果のどこが、どのようだということを説明に入れると、結果から考えたことが伝わりやすくなること 指導者が「実験の結果だけでは伝わりにくいので、結果の説明をしてみよう」となげかけると、一人一人が自分で作成した棒グラフを見て、そこから「けっかのせつめい」欄に読み取れることを書き始めた。(児童の記述例、図3-6参照) また、学習問題に対する自分の主張の根拠を明確にするために、グラフから情報を取り出し、言葉に直して説明する姿が見られた。今まではグラフから情報を取り出すことができずに、結果の解釈と考えの形成を自分で書くことができなかった児童が、実験結果を基に作成したグラフからこれまでより正確に情報を取り出し、考察を書くことができていた。 児童の記述例 【けっかのせつめい】 「日なたの午前9時ごろは20度で午後1時ごろは21度でした。日かげの午前9時ごろは15度で、午 後1時ごろは18度でした。」 「午前9時の日なたはだいたい20度、午後1時の日なたはだいたい22度。午後1時の方が午前9時よ りも地面の温度が高い。 午前9時の日かげはだいたい15度、午後1時の日かげは17度。午後1時の方が午前9時よりも地面の温度が高い。日なたの地面の方が日かげの地面よりあたたかい」 「9じごろ日なたは20どぐらい、日かげは15どくらい。5どぐらいのさがある。13じごろ日なた は22どぐらい、日かげは12どぐらい。10どぐらいのさだ」 83
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