〇蓄積した語句を活用する様子 クラウドに保存した語句と意味は、いつでも活用することができる。考察や振り返りの場面で、意味を確認した語句を活用して記述する姿が見られた。特に授業終盤の振り返りの場面では、指導者が指定するキーワードを使って、自分の学びの過程を思い出し、どのように学習したか、何を学んだかなどを考える際の手段として活用していた。例えば、児童の中には、振り返りのキーワードになっていた「はね返す」がどういう意味で、実験ではどのような出来事だったのかをGIGA端末に蓄積した語句の意味や教科書を活用して、想起し、振り返りに記述する姿が見られた。 (2)図表と語句、文を関連付けることで ① 3年生「地面の様子と太陽」 【学習の概要】 本単元「地面の様子と太陽」の学習の中で、教科書を活用するとともに、グラフ作成ワークシート、論証フレームワークシートを活用することで、学習した語句を使用し、実験の結果を記録、解釈し、筋道立てて自分の考えをつくる機会を設けた。 本単元は、太陽と地面との様子の関係について、日なたと日陰の地面の様子を調べ、比較する。この活動を通して、日なたと日陰の地面の様子についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、問題を見いだす力や主体的に問題解決しようとする態度を養うことを目標にしている。 本時の学習問題を「日なたと日かげの地面のあたたかさには、どのようなちがいがあるのでしょうか」とし、時刻を変えて、日なたと日かげの地面の温度を調べる実験を行った。その中で、結果の整理の場面でグラフ作成ワークシートを活用し、自分の力でグラフを作成し、グラフの書き方だけでなく、その成り立ちも理解できるようにした。また、考察の場面では、論証フレームワークシートを活用することで、グラフ作成ワークシートに書き込むことによる理解をもとに、自らグラフから必要な情報を取り出し、それを言葉で表し、考察に至れるようにした。 【授業の実際と児童の様子】 〇実験結果を記録する場面 屋外で実験をし、結果を記録用紙(図3‐3)に記入した。教室に帰ってきてから、児童に「今から、結果をみんなで交流するけど、この記録用紙で伝わりやすい?」と問いかけると、「温度のところが数字で伝えてもわかりにくい」という意見が出てきた。「どんな方法を使うともっと伝わりやすくなるかな」と問いかけると、算数科の学習での経験をもとにした「棒グラフにすると温度の変化が見てわかって、他のグループの記録と比べやすい」という児童の発言から、棒グラフで結果を表すことになった。グラフをかく段階で(図3‐4、図3‐5)、児童に、次のような問いかけをしながら対話的に、各自がステップをたどりながらかけるようにした。 ・今回の実験から、表題にどんな言葉を入れるとよいか。 ・横軸と縦軸を何にすると、実験の内容を表すことができるか。 ・縦軸の温度の目盛りは何度ずつにすると、実験結果を見やすくまとめることができるか。 図3‐3 結果の記録用紙 小・中 読み解く力 10 82
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