つまずきが予想される文の内容 第3章 研究実践の実際 図2-6 つまずきリスト 小・中 読み解く力 8 (9)西村哲也「科学的な思考力・判断力・表現力等の育成を目指して(1年次) ―問題解決に向かう学習活動の在り方―」 京都市総合教育センター 2018 p.6 80 い不十分な文によってその生徒が理解できていることが他者に伝わらないことが考えられる。したがって、横軸、縦軸が何を示しているのかに目を向けさせ、主語を明確にした文で表させることも、このガイドを使用するねらいである。 〔参考〕「つまずきリスト」を参考にした授業での配慮 生徒への直接的な取組ではないが、中学校で急増する、日常生活では馴染みの薄い語彙や表現を教科書から抽出し、つまずきが想定される項目とともにリスト化した「つまずきリスト」を作成した。つまずきリストは、読み解きチャレンジの作問時や、授業での小発問を考える際に参考にすることをねらいとしたものである。その一部を以下に示す。指導者はつまずきやすい語彙や表現を授業の準備段階で把握しておくことで、授業での説明や板書内容を慎重に検討することができるようになると思われる。なお、つまずきが想定される内容は、一文につき一つとは限らず、中には複数のつまずき要素を含む文もある。 表2-4 つまずきが予想される文の内容 新しい概念の導入等で使われる表現 生徒には日常生活と馴染みの薄い表現の一つ 概念の詳細や捉え方などを説明した表現 馴染みの薄い表現の一つ 定義の文 説明の文 参照を含む文 引用した文もしくはその内容と結びついた図表、グラフ、写真の掲載があるもの 新出の用語 新出の用語の紹介、またはそれを説明する文 馴染みの薄い表現の一つ 抽象的な表現 抽象的な内容や事柄を扱った文や、文そのものが抽象的な表現のもの 文末の表現 正確に表現するために、文末が特徴的な表現になっている文 馴染みの薄い表現 否定の文 接続語 指示語 文脈 備考 内容を打ち消すような文章表現 接続語のうち、学習内容の理解に関係するもの 指示語のうち、学習内容の理解に関係するものや、指すものを誤る可能性があるもの 前後の文も読まないと理解が難しいもの(単文ではつまずきが想定されるもの) 各表現についての補足(予想されるつまずき方やその手立てなど) 第1節 小学校での実践 (1) 調べた語句をGIGA端末に蓄積して ① 3年生「太陽の光」 【学習の概要】 本単元「太陽の光」の学習の中で、教科書を活用し、自分で意味を説明できない語句を教科書から見つけ、語句の意味を調べる活動を設定した。 単元・章 単元番号と章番号 ページ 文の掲載されている場所 掲載文 教科書に掲載されている文の引用 (表2-4参照)
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