-理科を通した読み解く力の育成に視点をおいた授業提案- 中村 寿樹・中村 洋平(京都市総合教育センター研究課 研究員) Key Words:読み解く力、情報を取り出す、教科書活用 G04-01 報告617 子どもたちには、さまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる資質・能力が求められている。そして、どのような社会にあっても、テキストを読み取り理解することの重要さに変わりはないと考えられる。そこで、本研究では、理科を通した「読み解く力」の育成を目指した。児童生徒の実態から「読み解く力」の中でも、「連続・非連続型テキストから目的に応じて情報を取り出す力」の向上にまず着手することとした。 本実践では小学校段階で、学習した語句を使って説明するなど語句を繰り返し使用する取組や、図表などから情報を取り出し、関連付けて説明する取組、自分の考えや説明を修正する取組を設定した。また、中学校段階では、語句や文、文章の意味やその意図を正確に理解できているかチェックし、学習の理解へつなげる取組や、グラフの注目する部分を示し、取り出した情報を用いて説明するように促す取組を設定した。これらの取組の中で教科書を活用することを通して、情報を取り出す力を高めることを目指した。 実践の結果、語句の意味を正確に知り活用することやグラフ等の読み取り方を知ることを繰り返し行うことで、情報を取り出す力の高まりにつながった。また、教科書を活用した実践を行うことで、児童生徒が自ら教科書を活用し、学習に取り組む姿が見られるようになった。 71 読み解く力の育成
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