615_R4「自己調整」最終稿【久保田】
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(2) 実践による生徒の変化 以下は、実践による生徒の学習の進め方の変化を見取るために行った生徒への聞き取りとアンケートの結果である。 〇SMSを活用すると、各教科の学習した時間がすぐにグラフ化されるので、「国語と理科が勉強できていないな」と偏りとかが分かり、バランスよく勉強することができるようになった。それまでは「今日はこれやろうかな」と行き当たりばったりで勉強していた。 設定した目標や学習課題の達成のために、必要に応じて計画や学習方法を改善している 10 図1-2 2021版SMS 学習の計画と記録を入力 図1-3 自分は学習の計画や方法を調整できていると考えている生徒の人数の変容(左:事前 右:事後) 〇計画表が紙の時はテストが返却されたらすぐポイと捨てていたけど(笑)、今はデータとして残せるから次にSMSに入力する時に前のやつを見て、「どこがあかんかったんかな」とか「時間が少なかったんかな」というのを強制的に見られるようになっているから、それで分析する力はちょっと付いたかなと思います。 ば、学習の自己調整を始めたばかりである生徒自身の分析が、いつも適切だとは限らないからである。そのため、実践では学習支援ソフトを用いて指導者と生徒との間でSMSを共有し、指導者が生徒の学習状況をモニタリングし学習についてのアドバイスを送ることとした。 このような活動を行いながら、生徒は日々の学習を進めていくことができていた。学習の節目として定期テスト後には、これまで自分が進めてきた学習を振り返り、結果に至った原因分析と、自身が進めてきた学習の自己評価を行った。この振り返りによって、生徒は学習の成果を実感することができ、動機づけを高めた状態で今後の学習に向けて再び目標を設定し、学習のプランニングを行うことができた。 事前 n=151 中学校 学びを自己調整する力 2 事後 n=156

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