Ⅾ教諭:話しながら,なんでそこに動かすのかは理由を言いながらやるように指導している。こういう理由でこっちのほうがいいんちゃうっていうように。 Ⅾ教諭が話している実践は,以前5年生が紹介してくれた実践にヒントを得ていることが分かる。このように,共有された事例をヒントに実践をしたという報告は他にもある。実践共有の必要性を感じられる。 また司会進行役を務めたE主任は,B主任と同様に⑨のように実践の価値付けを行っている。質問によって⑩のようにGIGA端末のよさを引き出し,⑪のように一般化して他の実践でも使える可能性を示している。 F教諭:国語,表現,読み方で工夫できているかを録画して投稿させて見合ったりした。日本文化を発信しようで鳥獣戯画を学習して,その(説明文の)表現のよさを使って,そのあと学習する狂言も日本文化なので先に学習して,あわせて日本文化のよさを表現しようという学習をやった。子どもたちは本を使いながらテキストを作っていって,題名,リード文,内容を作っていって,それらをまとめて新聞ができた。共有はワールドカフェ形式でやってみた。今回は日本文化を発信しようなので,先に鳥獣戯画(の単元)やって狂言(の単元)やって,図書支援の先生にも協力していただき書籍は集めてもらった。自分の好きな日本文化について調べている。情報は本から集めたり,ネットから集めたり,子どもが使い分けていた。 E主任:新聞みたいに作ってますね。 F教諭:そうですね。⑫資料の拡大もできるし,書き直しができるってのは一番のメリットでもあるし,割付けも調整できるし。本来なら一発勝負で書いてしまってというところが,まあやり直したいならここだけとか。参考文献は2枚目の(シートにつけてる)。 E主任:去年同じ単元やったんですが,⑬その時は手書きでやったんで,ここは写真貼るっていったやんとか,話の構成おかしいから変えなあかんて時に既に書いてしまったから時間かかるとか。構成考えたり,割付け考えたりとかはめちゃくちゃいいと思う。自分で調べて作れる感じですか。 F教諭:むかしだったら,この写真使うから印刷してくださいとかがあったが,なくなった。 E主任:⑭調べるときに,とんでもないところから調べていたりしたが,調べることに関する指導,引用に関する指導はしていますか。 G教諭:うちは統計資料使うので,その辺の素人が書いた資料を信じられるか,経済産業省とか信頼できる資料から確認しようという指導はしている。 F教諭:情報を集めるときは複数の情報源から集めようというのは5年生でやったと思う。引用は参考文献をつけるよう指導もしている。 ⑫,⑬はGIGA端末のメリットについてのやり取りである。F教諭が提示してくれたメリットがどんな困りを解消したのか,E主任が⑬で補足している。 B主任もE主任も,GIGA端末の活用を推進するために,個々の取組や活用方法を価値付け,一般化しようとする方向性は共通する。 ⑭は,情報モラルに関する事項である。内容の確かさが保証されていない情報も扱うようになり,発信する機会も増えた以上,情報をどう収集するか,どう発信するかを判断する力は十分身に付けるべき情報活用能力である。この場においては,F教諭とG教諭が担任する高学年の国語科や社会科の指導事項に含まれていることもあってだと思うが,児童の情報を収集する活動に際して配慮していることを述べており,指導すべきことが共有されている。 (3)主任の役割 上記のような実践交流を行うにあたっては,やはり司会進行をする主任の役割が重要になる。主任を務めている研究協力員によると,一回目の実践交流を行ったときは(2)で紹介したやり取りのような内容までが求められているイメージがなかったということであった。また,教育情報化促進チームにお小学校 情報教育 19 149
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