148 A教諭の実践を受けて,司会を務める研究協力員(B主任)が類似の実践を提案している。その上で①のように共通の課題があると述べた。するとA教諭は更に一般化させて,②情報の収集に課題があると整理している。その後,B主任が自身の反省として,③見通しのもたせ方の甘さや,④情報を批判的に検討する力の必要性を挙げている。 実践を他学年の類似の事例と関連させて捉えることで,事例の汎用性が見えてくる。また,共通の課題にも陥りやすいことがこの会話では明らかになったが,それは他学年や来年同じ単元を実施する場合も気を付けるべき点である。 さらには,⑤においてGIGA端末のメリットにも触れている。⑥においてA教諭がそれを具体化したことで,メンバー間ではよりGIGA端末のよさへの理解が深まったはずである。 C教諭:(1年生で実践を紹介)ログイン・ログアウトもかなり早くなったし,クラゲチャートとかの思考ツールも使ってみた。漢字全然読めないのに,複製も読めないのに,1回慣れてしまえばすぐできるようになる。 B主任:⑦複製とかができるとか,こっちからしたらすごく助かる。4年生でも聞いてくることあるので,1年生でやっておいてくれると(これからの指導が)すごく助かる。 A教諭:楽。 B主任:各学年でいろいろしていただいているが,⑧各学年で何をするのか到達点を決めてどうしていくのか,(課題については)どうすればいいのかこうやって共有していくのが勉強になるので。またこの話を学年におろしていただければと。そういえば1年生だったら,これから形作りありますよね?(具体やメリットの説明) 先のA教諭の実践報告の後でC教諭からの報告があったが,1年生担任のC教諭は自身の実践が立派なものではないと恐縮していた。それを受けてB主任は,⑦のようにC教諭の実践の価値付けをしている。これは1年生から徐々に力を積み上げていく義務教育においてとても重要な主任の役割である。 相対的にみれば,1年生の実践が高学年の実践に比べて単純であったり簡単であったりするのは当然である。しかし,個々の発達段階に応じて絶対的にみれば,それぞれの学年に応じて全力で行われている大変な取組である。そういった取組の積み重ねによって高学年において高度な取組が可能になるのであり,その取組に優劣はない。⑦のように1年生の時の取組がその後に生きること,そのためには⑧で述べているように各学年が到達段階を意識して取り組む必要があると示すことは,系統的に資質・能力を養っていくために重要である。 以下は,別の学校での交流の様子である。 Ⅾ教諭:この間5年生がやっていた付箋をためて共有ノートに出すのをやってみた。ゲストティーチャーからお話を聞いて,そこからわかったことを付箋に書き貯める時間で1時間,共有ノートで(付箋を分類する視点は)思い思いでやってみ,という形でやってみた。雑に書いていた自分たちのメモを整理することができたし,聞きこぼしたことの確認もできたし,グループ分けすることで一番何に困っているのかということがぱっと見て分かると子どもたちは言っていた。 E主任:(児童が使っている付箋の色が違うが)この色は。 Ⅾ教諭:(児童の席に)色が割り振られているので,それでやっている。 E主任:⑨困りが何が多いとか,感覚として見やすくなるのでいいですね。これは付箋は,ロイロじゃなくてもホワイトボードでもできるじゃないですか。でもロイロでいこうとなった? Ⅾ教諭:(以前に実施した)マッピング(の思考ツール)は結構動かすので,やっぱりこっちやっぱりこっちと。でもこの時も結構動かしてましたね。また⑩消して,貼り替えてってのはこっち(ロイロ)のほうが楽だと思う。これやったら共有かけたら自分の端末でも見れるので。 E主任:グループ活動を他のところで共有できるというのは,⑪総合とか特に,グループでやって最後全体で吸い上げるときに,いいなと思う。付箋を動かしたりするのとかは(何か気を付けることがある)? 小学校 情報教育 18
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