カ 国語科:学級新聞の題材に必要な情報をアンケート作成機能や写真動画撮影機能を使って収集し 調べたことを付箋にメモして記録する。その情報をもとに,アンケート作成機能でグラ フ化して分析したり,集めた付箋を比較,分類したりして内容を検討する。それらの情 報を配置することで構成を検討する。 下線は,情報の収集,整理・分析,まとめ・表現に該当する部分を示している。アからウの三つは,それぞれ一か所ずつ該当するので,授業中にGIGA端末をピンポイントで活用していることになる。四つのステップにおけるS【代替】に該当する。エ,オの二つは,1時間の授業の中で複数の学習過程にまたがってGIGA端末を使ったり,児童が選択して使ったりしている。A【増強】に該当する。これらSやAのステップの活用方法は,指導者や児童のステップが進んだとしても無くなるわけではない。授業やその目的に応じて登場することになる。 カとキは,単元を通して複数の学習過程,情報の収集,整理・分析,まとめ・表現にわたってGIGA端末を活用している。カでは,学級新聞に必要な情報を児童自身で集めるのだが,目的や意図に合わせて,学習支援ソフトのアンケート作成機能を使って収集するのか,インタビューをして動画で記録するのかなど,どの機能を使って情報を収集するのかを児童が判断していた。この活用方法は正に知的生産と蓄表1-5 9月22日 5分間で入力できる文字数 する際,検索の仕方の指導に時間を取られたり,それによって児童の思考の流れを妨げたりしないで済むであろう。 これらの取組を継続して行うことで,児童は徐々にGIGA端末の扱いに慣れていった。例えば,9月段階の調査におけるA校4年生のキーボード入力によるタイピング速度は表1-5のとおりである。平成25年に行われた調査では,小学校5年生の1分間当たりの文字入力数の平均は5.9字,5分間で約30字であった(9)。その頃に比べるとこの4年生のスキルは,高いといえる。なお,情報活用能力アドバイスシートにおいては,高学年の目標として「キーボード等で,10分間で300字程度の文字入力を目指す」としている。表1-5の塗りつぶした部分にあたるが,この4年生であれば十分到達できるであろう。 (3)単元を通しての活用 検索スキルもあり,タイピングスキルも育っているのであれば,情報の収集から,整理・分析,まとめ・表現までをGIGA端末で行いやすくなる。我々大人と同じように端末を使って学習する姿を具体化することができる。研究協力校両校の中学年の実践を見てみる。 ア 総合的な学習の時間:障害に対するイメージを学習支援ソフトの思考ツールを使って広げ,共有 イ 総合的な学習の時間:ゲストティーチャーのお話で分かったことを付箋に書き,学習支援ソフト ウ 国語科:パンフレットを見比べる際,思考ツールを使って共通点と違いに気付けるようにする。 エ 体育科:自分の技の様子を動画で記録する。記録した動画を見て,自分のめあてが達成できてい るか確認したり,模範と比べて修正点を見つけたりする。 オ 図画工作科:絵の題材となる動物や物の写真を共有フォルダに入れておき,児童が必要に応じて キ 国語科:ある伝統工芸についてそのよさが伝わる情報をwebや本から収集し,集めた情報は付箋や写真動画撮影機能を使って記録する。その情報を整理し,説明する文章の組み立てになるように構成する。構成にあわせて,文書作成機能を使って下書きする。 する。 のクラウド上のノートで共有し,思考ツールで分類する。 写真を参考にしながら絵を描く 小学校 情報教育 13 143
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