614 R3最終稿【木村】
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図1-8 児童が作った問題カードと答えカード 表1-3 1年生のGIGA端末活用例 図1-9 忘れ物がなかったかを確認してシールをはる様子 140 A【増強】にあたる。このステップにあっては授業のみならず,児童がGIGA端末を使う機会を一気に増大させ,日常化する必要があることは既に述べた(p.3)。A校1年生が日常的に取り組んだ一例を表1-3に示す。この学校では午後の帯時間にGIGA端末を活用する時間が設けられており,学校全体で端末の活用力向上が図られていた。そこで,そのためだけに端末を出すのではもったいないので,朝の帯時間から端末を準備して各児童が取り出しやすいところにおいておき,いつでもすぐ使える状態を作り出すことにした。良い使い方を思いついた時や授業で使う時にすぐに使えるようにするためである。 ①問題作り 表1-3のように,火曜日の算数科の時間に問題作りを行い,翌日の帯時間で問題を解く活動を行った。問題を撮影するときは,図1-8のようにお話と答えに分けて記録している。こうすることで児童は,問題を解いた後に自分で採点することができる。 問題と答えを作ることができるということは,学習していることを理解しているということである。 図1-8の問題は,10の補数を利用した計算の仕方を学習した後に作成した。この問題を解くために立てられる式は10の補数を利用することで解けるものなので,この児童は学習内容を理解していると捉えられる。 こういった問題作りの活動はGIGA端末導入以前から行われてきたが,作成した問題を全体で共有する作業に時間がかかるため,取り入れにくい面があった。一方,写真で撮影し共有することは児童が数秒で行える作業である。GIGA端末の登場により非常に効率化された活動と言えよう。 さらに,上記の実践では,「友だちに解いてもらうから,ちゃんとつくりたい」「もっと難しい問題出して」「問題もっとほしい」「もっと問題作りたい」等の積極的な姿がたくさん見られた。自分が作った問題を友だちが解く,友だちの問題を解くという活動は児童にとって魅力あるものなのかもしれない。問題作りは算数科に限らず様々な教科で行うことができるので,簡単に日常化することができかつ効果もある優れた活用方法といえそうである。 ②振り返り 忘れ物をしない,元気な挨拶をするなど児童はいろいろなめあてもって学校生活を送っている。何気なく生活していると忘れがちになるので,定期的に振り返る機会を設定している指導者も多いであろう。しかし,振り返りに使うプリントの用意,ご褒美のシールの購入など少し手間のかかる活動でもある。それをデジタル化した取組である。 図1-9は,児童が朝学校に来て忘れ物がないかを確認をし,スタンプを貼っている画面である。左のカードには日付が書いてあり,めあてが達成されたら右のカードからスタンプを貼れるようになっている。シールを貼ったカードは,共有フォルダに小学校 情報教育 10

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