①x=360-(c+d) x=360-215 x=145 この図形を図のように②直線(線分)を引いて2つの三角形が くっついてできていると見る。③三角形の内角は180°だから この図形の内角は360°である。この図形の内角の和は ④35+a+b+60+c+d=360 a+bは50なので 35+50+60+c+d=360 ⑤c+d=215 xは360-(c+d)で求められるから x=145 図3-2 生徒Aの考え方 図3-3 生徒Bの考え方 図3-4 三角形を分割する方法 図3-5 三角形をつくる方法 図3-2は頂点を両端とする線分であり,図3-3は頂点を一端としてもう一方に延びた半直線である。この違いにより,異なる性質を使って角の求め方について説明した。 生徒Aは図3-2とともに結果を求める式と,その式が成り立つ理由を記述した自分のノートを撮影し共有した。生徒Aがノートにかいた式と説明を以下に示す。 これまでの学習では,へこみのない四角形の内角の和は360°であることを学んでいる。しかし,へこみのある四角形については言及していない。生徒Aは線分を引いて,二つの三角形に分割した(②)。そして三角形の内角の和が180°であるということを根拠に,内角の和が二つの三角形の内角の和,つまり360°であると考えた(③)。この事実をもとに式で表して,∠cと∠dの和が215°であることを求めた(④⑤)。このようにして最初に示した結論(① x=145)が正しいことを説明した。 一方で生徒Bは,図3-3とともに説明と式を付箋に文字入力して共有した。付箋に書かれている説明と式を以下に示す。 ⑥三角形の外角の性質から ⑦△ABDより ∠BAD+∠ABD=∠BDE ⑧△ACDより ∠CAD+∠ACD=∠CDE ∠BDE+∠CDE=∠x よって, ⑨∠x=∠BAD+∠ABD+∠CAD+∠ACD 生徒Bは四角形の各頂点をA,B,C,Dとし,頂点Dを通るように半直線AEを引いた。また,三角形の一つの外角は隣り合わない二つの内角の和に等しいという,三角形の外角の性質を根拠として考えた(⑥)。そして,外角の性質を使った∠xの求め方を式に表した(⑦⑧⑨)。 自力解決で生徒は,図3-2,図3-3のように頂点同士を結んで三角形を分割する方法や,辺を延長して三角形を分割する方法(図3-4),頂点同士を結んで新たに三角形をつくる方法(図3-5)など様々な方法で考えた。 (2)考えを伝え合う 自力解決の後,次ページの図3-6のように自分の考えを伝え合う場面を設定した。生徒C,生徒Dは考えた補助線や式,説明などを加えた図をもとに,次のように交流を行った。生徒Cは次ページの図3-7のように辺を延長した補助線を引き,この図を用いて「三角形の一つの外角はその隣にない二つの内角の和に等しいから」と,三角形の外角の性質を根拠に説明した。一方で生徒Dは,次ページの図3-8のよう中学校 教科指導(数学科) 12
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