612 R3最終稿【寺井】
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-GIGA端末を活用した思考過程の見える化を通して- Key Words:思考過程の見える化,試行錯誤,根拠,共有 G0303 報告 612 数学科の授業では,結果を求めること以上に,その過程を考えることが大切である。そのときに,自分が考えた方法だけではなく,他者が考えた方法を知り,比較することでよりよい方法を得ることができる。本研究では,多様な考え方ができる問いを設定することで,生徒が思考の過程に着目できるようにする。そして,他者と協働しながら,よりよい考え方を求めていく中で,「思考力,判断力,表現力等」を高めることを目指した。 そのために,授業の中での学びを蓄積し見直して使えるようにするとともに,式,図,表,グラフなど数学的な表現を関連付けて適切に使うように促すことで,生徒に試行錯誤して考えさせるようにした。そして,その考えをより確かにするための方法として,「思考過程の見える化」を授業に取り入れることにした。さらに,見える化した思考の過程を共有し,お互いの考え方を比較したり,他者の考え方を読み取ったりすることで,自分の考え方についての理解を深めるとともに,他者によりわかりやすく説明できるようになると考えた。 実践の結果,蓄積しておいた既習事項を使って,粘り強く問題に取り組む生徒が増えた。また,自分の考えを記述してそれをもとに説明しようとしたり,他者の考えを読み取ろうとしたりする意識の高まりも見られるようになった。 寺井 淳(京都市総合教育センター研究課 研究員) 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の 数学科における 授業の在り方を求めて

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