58.9 そう思う37.5 思わないあまり思わない0.9 1.8 0.9 わからない0%図4-4 「単元のゴールを自分たちで考えたことは,『やってみたい』という気持ちの高まりにつながったと思いますか」(2・3年) (n=112) 60%とてもそう思う図4-3 児童の振り返り③ 20%40%小学校 外国語教育 17 右の図4-3の振り返りは,普段,人とのつながりに対して消極的な児童の記述である。自己評価を記号(◎〇△)で表記している部分を見ると,自分の姿をじっくりと振り返っていることがうかがえる。特に注目したいのが,第4時では,「さいしょに,ハローといったときが,きもちよかった」という自分の姿を◎で評価し,指導者も「友だちとえい語で『つながる』楽しさが感じられたね」と児童の姿を価値付け,評価している。第5時では,△になっているが「すこしこえが小さかったけど,エイゴがいえてよかった」と,自分のよい姿を振り返り評価していることがわかる。 以下に示すのは,英語活動の学習を全て終えた2年生児童の学習全体の振り返り中の一部である。 ・しょうかいしたり,あいてのくふうを聞いたりすると,どんどんわかりやすくなってきました。 ・さいしょはできないことがあったけどこうやってみんなとこうりゅうするとできなくてもがんばればできるとUNIT3まできてわかりました。 ・はじめはなんか物足りなかったけど中間交りゅうをして後半それをつけたしてうまくいってよかった。みんなもものたりなかったらつけたして,しっぱいしてもやってうまくいくという「やってみるぞ」という気持ちがいいと思います。 このように,英語活動を通して「何とか相手が伝えようとしていることを理解しようとする姿」や「相手にわかりやすく伝えようとする姿」を大切にしてきたことは,主体的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成につながるとともに,「人とつながること」「自分を信じること」などのよさの実感にもつながっていることがわかる。 【事後アンケートの結果から】 次のアンケート調査の結果は,今回の実践の中での手立てが,学習の中でどのような効果をもたらしたのか,児童の実感について問うたものである。 まず,今回の実践では,単元との出会いの場面で,指導者が課題設定の工夫を行い,児童自身が単元全体のめあてを考え,見通しを立てることを大切にしてきた。図4-4は,その手立てが児童の意識の高まりにつながったかについて調査した結果である。結果を見てみると,おおよその児童が肯定的な回答を示している。自分たちで目標を考えることが,単元導入の際における児童の学習に対する動機付けになったといえるだけでなく,単元づくりを行う上での指導者による児童理解,そして課題設定の工夫がいかに重要であるかがうかがえる。 27 100%80%
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