26 図4-1 児童の振り返り① 図4-2 児童の振り返り② 図4-1の児童の振り返りでは,以下のように記述されている。 図4-2の児童の振り返りには,以下のように記述されている。 小学校 外国語教育 16 ・どうぶつのえい語で言う方が知れてよかったです。ほかのどうぶつの言う方を知りたい①です。 ・ほとんど本の中ででてきたどうぶつをえい語で言えるようになったと思うから,うれしいです。もっとれんしゅうをがんばりたい②。 ・前はどうぶつの言い方だけだったけど,色も言えてよかったです。ほかの言い方も知りたい③です。 ・まだかんぺきにえい語でかえるとか言えてないので,がんばりたいです。ちょっとだけだけどうまくれんしゅうができている④。 ・もしかしたら声が小さかったかもしれないけどはやさもうごきもできました⑤。(下線部は筆者による) ①②③のように,新しく知れたことや自分ができるようになったことが知的好奇心の高まりにつながっていることがわかる。自分自身の成長を実感できれば,更に知的好奇心が高められ,「もっとれんしゅうをがんばりたい」といった学びに向かう力の育成につながるのである。また,④⑤のように,活動中の自分の姿を振り返り,評価している様子がうかがえた。 ・どうぶつのえい語で,言い方がわかりにくかったけど,先生の話を聞いているうちにわかってきたからもっともっとしりたい⑥です。 ・いろいろなげきをきめてどうがを見てかえるのえい語とかわかってきたのでもっとわかりたい⑦。 ・色やどうぶつのやどうぶつのいろを楽しめてよかったです ・どうぶつのげきのれんしゅうをしてうまくとれなかったけどさいごにはうまくとれてよかった⑧です。 ・わかりやすいようにうごきや大きな声を出してできた⑨ので1年生がわかりやすかったと思いました。 (下線部は筆者による) ⑥⑦から,少し難しいと感じたことでも,あきらめずに取り組もうとしている児童の姿がうかがえる。単元の初めでは,新しい動物の英語表現がたくさん登場し,理解することが難しかったことが予測される。しかし,先生が言っている言葉をよく聞くという方法を自分なりに見つけて粘り強く取り組んだことでうまくいったことが,知的好奇心の高まりへと結び付いている。また,学び箱に音声カードを用意し,児童が必要な時にいつでも活用できるようにしたことが,児童の学びを支えるものとして働いていたことがわかった。さらには,⑧のようによりよい発表にしようと最後まで粘り強く取り組んでいる姿も見られ,実際の発表会では,⑨の記述にあるように達成感が得られていることがわかる。この振り返りから,児童が単元を通して主体的に学ぼうとしている様子がうかがえた。
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