609 R3最終稿【丹後】
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第2節 3年生の実践 Unit6「ALPHABET」~単元を関連させて~ 【単元について】 単元の目標 自分のことを知ってもらうために,活字体の大文字を使って自分の姓名の頭文字やお気に入りのものを,相手に伝わるように工夫しながら伝えるようにする 本単元は,外国語学習に取り組み始めてから初めて文字を扱う単元である。児童にとって「アルファベット」とは,全く目新しいものではなく,日常生活のあらゆる場面で目にしている文字である。それとともに,国語科「ローマ字」の単元で,これらの文字を扱った学習をしてきている。 本単元では,自分の姓名の頭文字を伝え合うだけでなく,児童がもっと「伝えたい」「知りたい」という気持ちを高められるようにするために,既習単元である「自分の好きなもの」を紹介する活動を取り入れた。今回は,GIGA端末の持ち帰りが可能であるといった環境を生かし,自分の家の中に存在するアルファベットの文字に注目しながら自分の姓名を表すイニシャルを見つけるとともに,友だちの知らない,自分のお気に入りのものについて紹介できるようにした。「普段の学校生活では知られていない自分のことについて伝え合うことによってお互いのことをもっとよく知ろう」という課題を設定し,児童の「伝えたい」「知りたい」といった思いがより高まるようにした。 【実践の実際】 単元との出会いの場面では,指導者が自宅の中にある様々な活字体の大文字について紹介するとともに,児童の知らない「指導者の好きなもの」を紹介し,児童の「自分もやってみたい」という気持ちが高められるようにした。 実際には,まず身の回りにはたくさんの活字体の大文字が存在することに気付けるように,図3-4のように教室の中を探索することから始め,その範囲を教室から自宅へと広げていった。 単元終末の活動に向けて,児童は学習支援ソフトの写真撮影機能を使って,自宅で見つけた様々な文字やお気に入りのものの写真を撮影して情報を集め,カードに整理してオリジナル自己紹介カードを作成した。 その後,友だちとやり取りをする活動に向けて「相手に伝わる工夫を考えながら,自分が自信をもって活動に取り組むための準備時間」を設けた。すると,図3-5の児童のようにGIGA端末の動画撮影機能を活用し,自分の紹介する様子を撮影して表情や声の感じを確かめたり,図3-6の児童のように作成したカードをただ提示するのではなく,より相手にわかりやすく伝わるように,伝えたい部分を拡大して示したりするなど,実際の場面を想定し相手意識をもって取り組む様子が見られた。 このような,よりよい伝え方について自分なりに納得のいくものとなるように繰り返し取り組む姿を,指導者は価値付けていった。 図3-5 練習に取り組む児童の様子① 図3-4 活字体の大文字を探す児童の様子 図3-6 練習に取り組む児童の様子② 22 小学校 外国語教育 12

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