・ジェスチャー ・はっきりと ・鳴き声 ・動き ・はやさ ・声の大きさ ・ゆっくり ・くりかえし ・Hello songを歌う 図3-3 繰り返し練習に取り組む児童の様子 小学校 外国語教育 11 ①②③のグループでは,絵カードや学習支援ソフトのワークシートを活用して,問題を出す人や答える人などを相談し,様々なゲーム活動を通して色や動物の英語表現に慣れ親しんでいた。そんな中,④の児童は,自分が出題したい動物の英語表現をカードの音声で確かめながら,活動に取り組んでいた。また,⑤の児童のように絵本を手に取りながら読み聞かせ動画を視聴したり,⑥のグループのように一人一冊絵本を手に取って一緒に読み聞かせを行ったりする児童の姿も見られた。各グループまたは各児童によって活動内容は異なっているが,学び方を自己選択・自己決定し,友だちと協力しながら取り組むことで,学びに向かう力が高められている様子がうかがえた。 児童が活動している間,指導者は,友だちが伝えている英語表現をしっかり聞いている姿や自信をもって進んで声に出して表現できている姿,友だちと協力して取り組めている姿を見取り,価値付けることを意識して行った。 児童の振り返りには,「みんなとゲームやよみきかせをしてえいごのことをよくしりました」や「今日は,なかよし(グループ)でもんだいをだしあって色もつけたしたらみんながわかってくれた」といった記述があり,この活動が児童にとってよりよい学習となったことがうかがえた。 第4時では,単元最終のお話発表会に向けて,各グループで表現内容や表現方法などについて決めた後,GIGA端末の動画撮影機能を使って練習の様子を撮影し,自分たちの表現している姿を確かめながら何度も繰り返し取り組む姿が見られた。図3-3がその時の児童の様子である。動画に撮影することで,よりよい発表にするための改善点を見付けやすくなり,また,自分の姿を客観的に見ることで,相手の立場に立って活動に取り組むという姿が見られた。 指導者はその間,児童が英語表現を進んで声に出している姿や相手意識をもって表現している姿,また,友だちとのつながりを大切に取り組む姿,児童が粘り強く取り組んでいる姿を価値付けていった。その他にも,「相手によりわかりやすく伝わるようにするにはもっと,どんな工夫ができそうかな」など児童の考え方が広がるような提案を行ったり,困っている児童が解決に向かっていけるように言葉かけを行ったりした。 研究協力校のうち一校では,単元最終の第5時に1年生を迎えてお話発表会を行った。児童のワクワクした様子がとても伝わってきた。児童が単元の初めに設定したゴールを意識し「相手にわかりやすく伝わるように」といっためあてをもって,活動に取り組むことができた。 中間評価の場面では,まず,2年生児童が工夫できたことやもっと工夫したいことについて発表し全体で交流した。右に示すのが,その内容である。これらを共有した後,1年生からの感想を聞いた。声の大きさや速さ,動きなど,2年生児童が工夫したことに対して,「うれしい」「わかりやすい」「英語が知れた」などといった1年生児童の感想をつなぐことによって,後半の活動も自分なりにめあてをもって取り組んでいる様子がうかがえた。 単元終わりの2年生の振り返りには,次のような記述が見られた。 ・わかりやすいようにうごきや大きな声を出してできたので1年生がわかりやすかったと思います。 ・れんしゅうしてたよりも声が大きく出て,よくできた。 ・いままでのなかでは一ばんよかったと思います。 ・もしかしたら声が小さかったかもしれないけど,はやさもうごきもできました。 このような振り返りの記述からは,楽しかったという実感だけでなく,改めて活動中の自分を見つめ,相手意識をもって取り組む自分の姿を振り返り,評価している様子がうかがえた。 21
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