611 R3最終稿【椙村】
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小学校 教科指導(算数科) 22 おわりに (16)令和3年度全国学力・学習状況調査 報告書【児童質問紙】 https://www.nier.go.jp/21chousakekkahoukoku/factsheet/primary.html 2021.12.08 82 ンケート結果を照らし合わせると,「数学的な見方・考え方」や「数学的活動」が社会で生かせるといった捉え方ではないとの見方もできる。つまり,問題と同じ場面でしか算数が役に立たないと考えており,算数の問題の解き方のみを学んでいるのではないだろうか。算数を学びながらも,それが社会でどのように生きるのか,社会や自分の人生をよりよくするために算数の考え方をどのように生かせればよいのだろうか,という視点をもつことも大切である。今回の実践では,数学のよさを感じたり,算数の学びを次の問題発見に生かしたりすることは十分にできなかった。今後の展望として,「個別最適な学び」のよさを生かし,児童の「数学的な見方・考え方」が教科を越えて働くように授業・単元をどのように設計すればよいのかを考えていきたい。 実践を進めて改めて感じたことは,「子どもは有能な学び手である」ということである。指導者が教えなければならないこと,学習の仕方を指し示すべきことというものはあるが,今回の実践によって必要な手立てを打てば,子どもたちだけでも学ぶことができることがわかった。「なぜそうなるんだろう」「こうすれば解決できるんじゃないか」「やってみよう」という,子どもの知りたい,わかりたいという意欲が思考を働かせ,新たな気付きや学びとなる。子どもの学ぶ意欲をできる限り止めない。指導者は子どもが困ったときに手を差し伸べる。それが子どもたちの資質・能力を高めるこれからの授業の在り方ではないだろうか。個別最適な学びとなる授業に可能性を感じる実践であった。 最後に,本研究の趣旨を理解し,協力してくださった京都市立御所東小学校と京都市立嵯峨野小学校の校長先生をはじめ,両校の研究協力員の先生方や教職員の皆様,そしていつも積極的に授業に参加してくれた子どもたちに心から感謝の意を表したい。

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