611 R3最終稿【椙村】
14/24

【正答】2/5+1/5=3/5 答え 3/5L 小学校 教科指導(算数科) 12 ①絵 ③式と言葉 72 図3-1 考えを図や言葉で表したノート 図3-2 図と式を関連付けながら考えを説明している様子 面では,共有した写真やスライドのデータを使って自分の考えを伝え合い,共有されている友だちの考えは自由に見てもよいことにした。今回の授業デザインでの授業実践は各学年初めてである。授業のねらいに対する意味理解を児童のみでできるのかという不安があったため,学び合いの終盤には本時のまとめとして全員による集団解決を行うことにした。どの学年も実践を重ねることで,多くの児童が図と考えを関連付けながら説明できるようになった。一方で,学年によって,学び合いでの考えや話し合いの深まりに違いが出ることがわかった。 第1節 思考し判断し表現し続ける実践 (1) 絵や図を用いて考えることができる力を求めて ~3年生「分数」の実践から~ ①問題と学習のねらい A校の3年生「分数」の単元で,右の問題を扱う授業である。この授業では,同分母分数のたし算ができるようにするだけでなく,分数の意味を考え,計算の仕方や考え方を図式化して説明できることをねらいとした。この問題で想定できる誤答は分母どうし,分子どうしをそれぞれたした「3/10」という答えである。今回の授業では,図式化したり,説明し合ったりする中で,なぜ「3/5」が正しい答えなのかを自分たちで理解できるのかを見取った。 ②授業の実際と児童の様子 課題把握では,問題場面の状況や考え方の見通しを全体で確認し,自力解決に向かった。自力解決では,ほとんどの児童が,絵,線分図,式と言葉などを使って考えをかき表していた(図3-1)。 指導者は机間指導を行った後,人数は少なかったが,自力で解決が難しいと思われる児童にだけ個別支援を行った。自力解決開始3分後には自分の考えをかき終わる児童が出始め,10分後には7割ほどが学び合いの活動に移っていた。本研究を始めた当初は,自分の考えをもてないまま集団解決に向かう児童が全体の2割ほどいた。実践を2か月間重ねた今回の授業では,答えが間違っていたり,考え方を言葉でかけていなかったりしたとしても,9割以上の児童がまずは何かしら絵や図,式をかき,自分なりの考えをもつことができていた。 図3-2は学び合いの様子である。児童は相手に図と式を関連付けながらどのように考えたのか【問題】ジュース2/5Lと1/5Lをあわせると何Lですか ②線分図 【誤答】2/5+1/5=3/10 答え 3/10L

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る