椙村 契(京都市総合教育センター研究課 研究員) G0302 報告611 Key Words:思考力,判断力,表現力,ICT活用,授業デザイン,個別最適な学び 子どもたちには,自分のやりたいことや夢に向かって突き進み,明るい未来を自らの手で創り上げてほしい。そのためには,目標に向かって主体的に考え,時に他者と協働し学び合いながら,自己を高めていくことが大切であろう。そこで本研究では,算数科における「個別最適な学び」や「協働的な学び」を通して,「思考力,判断力,表現力等」を高めることを目指した。 小学校算数科では,一人一人の学習進度に応じて学習活動や学習方法を児童自身で選択できる授業デザインを取り入れることにした。自力解決を終えた児童は「学び合い」の活動に移る。「学び合い」とは自力解決を終えた児童同士で自分の考えを伝え合う活動である。よりよい解決の方法について話し合ったり,考え方の共通点を見いだし統合的・発展的に考えたりすることが可能となる。指導者が時間で学習活動を区切ることはしない。一人でじっくり問題と向き合ったり,友だちと協働的に問題解決したりするなど,児童一人一人に合った学習活動を自身で選択することで,常に思考し判断し表現し続ける状況を生み出せるようにした。 実践の結果,発達段階による差はあるが,学習活動を選択したり,考えを説明したりする機会が与えられたことにより,自分の考えが伝わる喜びや,児童同士でわかる楽しさを感じ,学習意欲の高まりにつながった。 -子どもが思考し判断し表現し続ける授業デザインの提案- 59 授業の在り方を求めて 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の 算数科における
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