613 R3最終稿【久保田】
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F1001 報告 613 Key Words:自己調整,動機づけ,学習方略,メタ認知 ,情報活用能力 「上手な勉強のやり方が分からない」や「勉強が計画どおりに進まない」といった学習上の悩みを抱えている生徒が,高いモチベーションを維持しながら主体的に学習に取り組んでいくことは難しいだろう。本研究では,生徒が自らの学習過程を客観的に捉え,学習を改善するための振り返りを行いながら学習を自己調整していく姿を目指した。 そのためには,生徒が主体的に学習に向かっていくための高い動機づけや学習の進み具合に応じて選択できる多様な学習方略,自らの学習過程を客観的に捉えるためのメタ認知といった三つの要素を備える必要がある。 本研究では,この点を支援するためにGIGA端末を活用し,生徒が指導者やクラスメイトと学習方略を共有すること,表計算ソフトを用いて自身の学習情報(学習した順序や時間,内容や方略,テストの結果など)を管理し分析することに取り組んだ。また,学習方略を獲得することやメタ認知を働かせることにより,生徒が学習の成果を実感し,動機づけを更に高めていくことができるように実践を進めた。 実践の結果,これまで自分が知らなかった学習方略を獲得し,それを実行したことにより学習の成果を実感することができ,次の学習へのモチベーションにつながった生徒が現れた。また,自身の学習をモニタリングしながら,学習する順序や時間,内容や方略,学習へのモチベーションを適切にコントロールできる生徒が成績中低位層の中からも現れた。 久保田 守(京都市総合教育センター研究課 研究員) 103 -GIGA端末を活用した学習方略の共有と学習情報の管理を通して- 情報活用能力を基盤とした学習を自己調整する力の育成

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