形式としては、各学年の教師陣が一人一教材を選び、教材研究をすすめ、授業をする。1週目は1組、次の週は2組、その次の週は3組という形でその学年の全クラスを持ち回ります。その際には、普段道徳授業を担当する担任だけではなく、副担任も一教材を担当する方がねらう効果も高いと感じられます。 ただし、注意点としては、指導案自体の検討や、生徒の育ってきた背景や配慮事項への共通認識などを学年の会議などで徹底しておくこと、持回りの期間以外ですでに22の内容項目を計画しておくことが必須になります。 また授業の際には授業者だけでなく、TTとして参観者を配置し、担任が他クラスの持ち回り道徳を行う場合にも、時間割変更などで担任が自クラスの参観をできることが望ましいでしょう。どうしても担任が参観できないときは、副担任をTTとして配置し、授業後に授業での見取りを担任と共有することで、見取りの漏れがないようにすることも有効です。 担任が自クラスの教科を担当する小学校と違い、教科を分担する中学校では、学年の教師団で学年全体を見る意識が大事になります。多くの中学校で導入されている「持ち回り道徳」に、「生徒による自己評価」を採用することで、より大きな効果が見込めます。 「持ち回り道徳」モデル 具体的に3つあります。 ①その教師ならではの教材で生徒が多様な視点に触れる機会 ②何度も同教材の授業を行うことで教師の授業力が向上 ③自己評価によって推敲された良質な授業プランの蓄積 生徒の様々な学びを拾うために多面的な見取りの心がけを! 授業実施 自己評価で点検 ※A~Cは副担任、D~Fは担任の場合を想定 10 授業実施 自己評価で点検 図16「持ち回り道徳」の構造図 生徒の自己評価と「持ち回り道徳」が組み合わさる利点は?
元のページ ../index.html#11