図1-2からは,情報モラルの授業実践について苦 第1節 1年次研究実践 学校で担う「情報モラル 図1-1からは,ほとんどの教員が,情報モラルの 情報モラルの授業実践に対する意識について調査した結果である。 手意識が高いことがわかった。 確かに,これまで見聞きする中では,情報モラルの授業は外部の講師に任せることも多い。しかし,これから情報モラル教育を充実させていくためには,教員が目の前の子どもの実態に合わせた授業実践が必要であると考えた。 そこで,学校全体で進めることができて,授業実践にまで一体的に構想できるような校内研修会を構築することが,情報モラル教育の充実を目指す上で効果的であると考えた。 図1-3は,情報モラルの授業実践をする上で,校内研修の要素として必要な観点をまとめたもので 二つ目は,多忙な業務の中で,情報モラル教育の学びと同時に,教材研究の時間を確保することで,効率化を図ることである。 三つ目は,指導しやすく児童にもわかりやすい授業計画を立てることである。情報モラル教材は,社会の変化に合わせて年々変化するものが多く,各教員が教材を作成しても,長年使えるものになる可能性は低いため,様々な機関から提示されている教材を活用していくことが,情報モラルの授業を実践する上で有効だと考えている。つまり,ある。 一つ目は,ど の学年でも情報 モラルの授業が 実施できるよう に,校内全体で 取り組むことで ある。学校とし て取り組むこと は,子どもたちにとって,6年間の学習を積み重ねることであり,教員にとっても,毎年指導していくことから,授業実践の機会ができる。 (6) 図1-1 情報モラルの指導の必要性に対するアンケート結果 第1章 学校と家庭で担う情報モラル教育 校内研修会Ⅰ」 (1)1年次研究の概要 1年次の研究では,情報モラル教育に関する指導の充実を目指し,研修会での内容が教員自身の授業づくり,授業実践に直接結びつくような校内研修会の進め方に取り組んだ。 中央教育審議会答申(平成28年12月)(4)には,情報活用能力を充実するよう明記された。「情報活用の実践力」「情報の科学的な理解」「情報社会に参画する態度」の三観点があり,とりわけ「情報社会に参画する態度」においては,小中学校を通じて情報モラル(受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる力)の充実を図るように記された。また,現在の情報社会の中で,子どもたちの誤ったICT機器の活用による諸問題,また,子どもたちに危害が及ばないようにするための予防的な意味合いからも,情報モラルを身に付ける必要性があり,情報リテラシーの育成を喫緊の課題とした取組が求められている。 このような背景の中で,就学前児童のスマートフォンの活用率も年々上昇している現状からも,情報モラル教育を小学1年生から6年間通して学校全体で進めていくことが必須だと考えた。 そこで,情報モラル教育に対する教員の意識を調査した次の結果から,情報モラル教育の充実に向けて大切なことを見出した。 図1-1は,1年次の研究協力校の先生方を対象に情報モラルの指導の必要性についてどのように感じているかを調査した結果である。 指導の必要性を感じていることがわかった。 図1-2は,1年次の研究協力校の先生方を対象にn=41 (5) 図1-2 情報モラルの授業に対するアンケート結果 図1-3 情報モラル校内研修の要素 小学校 情報教育 2
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