001総教C030705H29最終稿(高橋)
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① ワークショップBで用いた教材は,文部科学省から提示されている「情報化社会の新たな問題を考えるための教材『軽い気持ちのID交換から…』」(21)である。まず始めに,実際に動画教材を視聴し,登場人物である小学生のゲーム機(通信タイプ)の使用の問題点を①に書き出した。次に,書き出した問題点に対応して,家庭で取り組めそうなことを付箋に書き出し,②のピラミッドチャートの一番上に重要と思われることを挙げていった。最 ② 表3-2からわかるように,このワークショップが相対的に高評価であったc先生に対して,a先生は 1点をつけている項目がある。またb先生は,親目線としてつながり度や成果もち帰り度は1点であるが,参加はしやすいと4点をつけている。 また,このワークショップに対して,他の先生は,「将来の姿を急に保護者が書けるかどうか,しかし,子どもの成長と将来の予想をリンクさせることで,より現実的な問題として考えられた」と評価し,b先生は,「年表がロボット市場や人口の数などが多いので保護者がイメージしづらいように感じた。将来の姿と家庭でやるべきことの二つの欄だけの方が話しは進みそうに思う。」と評価した。 このように,それぞれの教員の個々の経験によって,同じ体験をしても受け止め方は異なったが,改善点を考えた案がいくつも記述されていたことから,この体験が実践を考える具体として効果があったと考えている。結果,その後の懇談会では6年生が年表扱いを工夫し,懇談会で使用した。 <ワークショップB> ワークショップBは,授業で使う動画教材を視聴 して,保護者に家庭での情報モラル教育について具 体的に考えを出し合うものである。 図3-15は,ワークショップBのワークシートに実際に記入したものである。 後に,このワークシートをもとにしてグループ交流をした。 この懇談会は全体的に高評価だった。特に,動画を観ることで保護者に考えやすいという評価が多かった。しかし,先ほどの体験Aと同じように,保護者の視点で考えたときに,この体験Bを難しく感じるという先生もいた。書く量が多いというのが理由である。その点については,書く量を減らして,話合いの時間が多くとれるようにしたいというものであった。このような視点も,懇談会での保護者の横のつながりを重視していると考えられる。これらのことから,ワークショップBについても,個々の先生方にとって懇談会の実践を考える具体となったと考えている。 ワークショップBについては,その後,A校の取組である全学年の保護者を対象とした家庭教育学級で実践された。またB校の懇談会でもこのワークショップが懇談会で使用されることになった。これらの実践の具体については,3節で後述する。 <ワークショップC> ワークショップCは,「タイプ別子どもの接し方」 (22)の資料を参考に,保護者が設問に対してあて はまるものにチェックをすることで,どのような タイプの親であるか,見直してみるというもので ある。ここでは五つのタイプが提示されている。そこで,自分のタイプがわかったら,他のタイプを参考に,できるだけいつもと違う接し方を考えてみるというものである。 図3-16は,ワークショップCのワークシートに実際に記入したものである。 図3-16の上部に二つのテーマを出した。一つ目は,「どうしても『スマートフォンを与えて欲しいと言い出して聞かないとき(でも,まだ与えない)」二つ目は,「ゲームやネットの使用が依存気味にな図3-15 体験Bのワークシート ① 図3-16 体験Cのワークシート 小学校 情報教育 19

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