001総教C030705H29最終稿(高橋)
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表3-1は,思考のプロセスについて,自分と他者 この研修会は,懇談会ワークショップを体験した後に,その活動の評価を行うというサイクルを三回繰り返す。 表3-1は,一つの問題を見る(考える)場合でも個人が見る場合とチームが見る場合では思考のプロセスが異なることを示している。複数の人の質問や考え(他問)や複数の人の返答(他答)の環境があることで,多様性が生まれ,創造的な思考ができるというものである。 保護者として懇談会に参加している視点と,支援者(先 生)として進行していくという視点の二つをもって, 懇談会で働きかけ,家庭教育支援につなげることにつ いて考える。 り方について,学校外からの情報を得ることはあまり多くないことがわかる。 との関係をまとめたものである。 他問↔自答,他問↔他答の思考のプロセスを研修会で体験することで,懇談会で保護者が話し合うときに生まれる思考を体験し,家庭教育支援の在り方について意識することに生かしたいと考えている。家庭教育支援には正しい決まった手法があるわけではない。大切なのは,家庭が子どものためにできることを,保護者同士,横のつながりをもって考えられるようにすることである。つまり,学校が一方的に何か伝達して,保護者がそのことをもち帰って一人で考えるのではなく,その場に集まった人々がどのように考えて活動するのかという視点をもつことである。 「懇談会のワークショップを体験することから学ぶ研修会」では,ねらいを次のように定めた。 懇談会では,保護者が「普段の悩みに対して,周りはどうしているのか」ということが聞けて,「保護者同士で意見を聞き合うこと」で悩みが晴れてすっきりし,次回もまた懇談会で保護者同士がつながりたいと思えるような話合いが生まれることが望ましい。そのためには,保護者にとって意見やアイデアの出しやすい場となるか,思いがけない視点で出てくる,具体的な方法を考える場となるか,自分の子育てについて振り返る場となるかなど,家庭での子どもとの関わりについて一考する場となるような仕掛けが必要である。地域や学年によって保護者の様子も異なるため,教員がいくつかの引き出しをもち,その中で実態に合わせて考えられるようにすることがよいと考えている。 図3-12は,「懇談会のワークショップを体験することから学ぶ研修会」の全体的な流れである。 三つの異なったワークショップから,保護者目線で参加者としてどうであったか,教室で懇談会を進める上で支援者として自分はどう感じるかをその度に評価しておくことで,それぞれの一長一短を出し合い,実態に合った家庭教育支援について学び合う。様々な経験年数の教員が,懇談会の実践について語り合い,考えを伝え合うことが,教員の学びとして有意義なものになると考えた。 次頁図3-13は,各ワークショップに対する評価の図3-11 A校懇談会を企画するにあたりどこから情報を 得ているかに対するアンケート結果 表3-1思考のプロセス (19) n=15 図3-12 「懇談会のワークショップを体験することから学ぶ研小学校 情報教育 17 修会」の全体的な流れ

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