001総教C030705H29最終稿(高橋)
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だけではだめなところもある。それを親にもわかってもらわな いといけない。特にこの学年は昨年度まで,そういうのをやっ ていないと思うので,学校で教えていかないと,親ではどう教 えていいか,危ないと言っても親も教えようがないかなと思う。 このように,A校3年生では約7割の子どもたちが,自分が使用している機器の画面を保護者が見ていないと思っている。中には,例えば,保護者が安全性を確実に把握しているゲームをさせていることも考えられるが,それでも,多くの子どもたちは,使用に関して自由だと思っていることが想定される。また,ここでも挙げられているとおり,インターネットやゲームをするのに約束がないと思っている子どもたちが,約3割いる。これらのことは,学校教育の中だけで指導しきれる範疇ではない。家庭での話合い,ルール作り,何よりも,保護者が子どもを見取る大切さに気付いてもらうことが重要である。 4年部会は,参観日と懇談会での授業実践を想定した話合いが進められていた。懇談会実践については後述するが,話合いの中でアンケート結果に驚いたことや,保護者も情報モラルについてあまり知らなければ教えようがないだろうという思いから,懇談会の実践時は「だから一緒に考えましょう。」というように投げかけることにつながった。 のだと思うと,指導を考えていかなければならない。 4年生f教諭 アンケートをとって子ども実態を知ることは,3年生a教諭 結局ルールが無いから,たくさん使っても大丈夫だと思っているのではないか。きちんとしたルールが無いこと,約束を守らないこと「こういうことをしたらだめだよ」と言われていないから無料のアプリだったら,パスワードさえ教えてもらえばダウンロードでき,内容をチェックされていないから 勝手に使ってよいと思っているだろうし,ルールの有無やルールを守る意味が分かることは,情報モラルの指導にすごく関わりのある項目なのではないかと思う。今度,参観日でやるのに,ちょうどよいのではないか。 3年生b教諭 それでは具体的にどうするか。どういうルールが良いかという授業か,ルールって必要なのかを考えさせるのか,それとも,実態からはルールがいらないと思っている子が結構いるということだからルールの意義に自分で気付くような授業にするべきか。 4年生c教諭 何でも信じてしまうと思う。道徳としたらやさしい気持ちをもつということで済む。しかし情報社会ではそれ そこで3年部会は,「インターネットやゲームするときの約束がない家庭が約30%」あることから学習課題を見つけ,それに見合った教材を使って授業をすることになった。 他に,児童実態把握の分析で明らかになったことに,A校で昨年度2年生時に指導した内容「個人情報の取扱い」について,今年度3年生の意識が非常に高く,友だちと写っている写真の取扱い方についての正しい知識が,9割を超えていたことも明らかになった。このことからも,毎年継続して情報モラル教育に取り組むことに意義があると考える。 B校の4年部会の分析時の発言を次に示す。 小学校 情報教育 13 教材を使ってやっていかないと。 4年生d教諭 送ったものは取り消せないとかそういうこと がわかっているのかどうか,倫理的なものがわかっているのか。 子どもも親もわかるようなことを学校ができたらよい。 4年生c教諭 これまで人権啓発の参観をやってきているが,情報モラルも啓発として参観を学校として設定するのが大事な時期に来ていると思う。 4年生e教諭 アンケート結果をみたら本当に怖い。割合が少ないものでも,実際にこの実態の子どもがいる 改めて大切だと思った。 また,これまで人との関わり合いの中では,相手に対して優しい気持ちをもつことを教えてきたが,情報社会では,関わり合いの中で相手に対して懐疑心をもつ必要性も出てくる。つまり,子どもが人との関わり合いの中で信頼と相対することを判断するスキルが必要になったことも話し合われた。他にも,アンケートの数値が高いことについて話し合われたばかりでなく,数値が低くても内容によっては,実数として数人いるという事実に,指導の必要性を感じたということも話し合われた。 次頁図3-7は,B校4年部会の話合いで用いられたピラミッドチャートである。 そこで4年部会は「子どもも親もインターネット・スマホの危険性を理解する」というねらいのが,学習課題の焦点化欄に挙げられた。 このように,ここまでの活動で児童のアンケート結果から見えた児童の実態と共に見えてきた家庭での様子,そこで家庭教育へ働きかける視点について,話し合われた。

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