学校における情報モラルに関する指導の充実を目指して(2年次) F1001 報告585 本論文では,情報モラルの授業実践と保護者啓発に向けた情報モラル校内研修モデルを提案する。 情報モラル教育は,子どもたちの情報機器の使用環境からも学校内だけで完結できる教育ではなく,学校を軸にして家庭に返す意識をもつことが不可欠であると考えた。 教員の意識調査からは,情報モラルの授業に対して苦手意識があること,保護者啓発の手法を必要としていることがわかった。しかし,これらのことについて実践に生かすことのできる具体的な機会が少ないという課題がある。 そこで,1年次研究「情報モラル校内研修会Ⅰ」で,教員自らが児童実態に合った授業づくりを行い実践へ向かいやすくする中に,家庭教育支援の視点を付け加えた「情報モラル校内研修会Ⅱ」について実践研究を行った。 この結果,「情報モラル校内研修会Ⅱ」では,授業づくりの中で家庭教育についての視点が教職員から多く出され,その後の授業・懇談会実践などの保護者啓発へとつながった。保護者からも,学校によるこのような働きかけに対して,好意的な感想が寄せられた。 研究を通して,情報モラル教育を充実させるための家庭教育支援を進めるためには,一人一人の教員のマネジメント力を発揮できるように,学校を核とした教育コミュニティの視点を,教員の学びに取り入れていく必要があると考えた。 -保護者啓発を意識した情報モラル教育推進のための 高橋 雅(京都市総合教育センター研究課 研究員) 情報モラル校内研修モデルの構築-
元のページ ../index.html#1