001総教C030705H29最終稿(大栢)
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エは,書いて表現する活動なので,「書くこと」 と捉え,これらを内容のまとまりとした。 (下線は筆者による) (47) ここから,各領域を有機的に関連させた言語活動 については,その最終目標となっている領域の枠の中で評価をすることが可能だということがわかる。つまり,領域統合型テストにおいては、個々の領域を測定するというよりも,最終的な目標が何であるかを考えて,最終的に何ができるか(CAN-DO)という目標を明確にし,その最終的な評価をするという視点が大切だと捉えることができる。 このような問題では,どういう状況で,誰に向けて何のために英文を書くのかが明らかになり,設定が明確なため,生徒の書きたい気持ちも促進されると考える。 (前略) ウ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことなどに基づき,情報や考えなどについて,話し合ったり意見の交換をしたりする。 エ 聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,簡潔に書く。 以上ア~エの言語活動を,それぞれ, (中略)ウは,話すことを中心に展開する活動なので,「話すこと」 多角的に物事を捉え,発表を受けて疑問をもったり質問をしたりし,質問することを通してより深く学ぶことができるgood listenerを,教科横断的な取組を通して育成する必要があると考える。 (3)これからの学習評価の在り方 ①<領域統合型のパフォーマンステストの在り方> 第2章第5節で述べたように,領域統合型のパフォーマンステストにおいては,インプットした情報を処理してアウトプットする能力を測ることになる。本研究では,初見の英文を「読んで」その内容を引用しながら「話す」パフォーマンステストではなく,内容理解を経て何回も音読練習を重ねた教科書本文を活用しての発表であった。しかし,このような言語活動をスモールステップとしたり,日常的に教科書本文を読み,その内容について感じたことや考えたことについて即興的に意見交換させ,最終的には教科書とは異なる教材の使用,つまり初見の英文を聞いたり読んだりして,その内容について話したり書いたりするような活動につなげていかなければならないと考える。また,学年が上がるにつれ,ペアから3~4人のグループへと活動形態を変え,ディスカッションへとつなげていくなどステップアップを図る必要がある。 しかし,その場合の評価には,大きな問題点がある。あるまとまった英文を「読んで」,必要な情報についてまとめて「話す」といった課題を設定したとき,何も話せなくなった生徒がいたとする。その生徒は,英文の内容理解に問題があったのか,それとも,内容については読み取れたのに話せなかったのか,やり取りすることに難しさを感じているのかの判断が難しい。 では,今求められている領域統合型の言語活動の評価はどうあるべきなのだろうか。高等学校外国語科に向けて作成された,NIER(2012)の評価方法を参考に考えたい。そこでは,コミュニケーション英語Ⅰにおいては,学習指導要領の内容に示されている言語活動をもとに内容のまとまりを以下のように設定している。 しかし,前述したように,生徒がどの時点で躓いているのかの診断も同時に行い,次の指導につなげていかなければならないのも事実であろう。 今後は,パフォーマンステストのみならず,改革が急がれている総括テストについても研究を進めていかなければならないであろう。 ②<総括テストの在り方> 英語の授業が英語で行われ,教室での言語活動がコミュニカティブでより現実的なコミュニケーションの場に近づけば近づくほど,現在行われている総括テストとは乖離していくように思われる。授業が変わっていくのなら,総括テストもコミュニカティブに変わっていくべきだと考える。生徒にこうなってほしい,こういう力を付けたいというイメージをもつことが,総括テスト,パフォーマンステスト,そして授業を変える第一歩なのではないだろうか。 例えば,「自分の将来の夢について5文以上の英文で書きなさい」― 総括テストにおいて,このような出題がこれまではよくされてきた。しかし,一体どのような場面で,誰に向けて,どのような状況でこれを書くのかが明らかにされていない状態では,その文章を書く目的がわからなくなってしまう。 これに対し,よりコミュニカティブなテストでは,下の図4-6のような出題が考えられる。 図4-6 コミュニカティブなテスト例 中学校 外国語教育 29

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