001総教C030705H29最終稿(大栢)
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表3-2 単元計画 そして,単元の一時間目にはガイダンスを行った。目標,課題,評価,目標達成までの流れ等を事前に示し,生徒自身にも「どんなことを頑張りたいか」,「どういう姿を目指すか」という目標が立てられるようにした。まず,指導者がパフォーマンステストにおけるモデルを提示し,どういう点がすばらしいかを生徒に分析させ,ゴールイメージを共有した。そして,毎時間示される本時のめあてに加え,本単元の最終目標も毎回掲示・確認した。 まず,教科書の題材であるユニバーサルデザインについて,指導者の経験を「聞いた」り,教科書の記事を「読んで」得た情報について,その内容を自分のことばで要約しながら「話し」,今度は自分自身の身の回りのユニバーサルデザインやバリアについて紹介することで題材との自己関連性をもちながら,自分の意見を「伝える」,という領域統合の言語活動の実践である。 1.目的・場面・状況が明確か 2.生徒のモチベーションにつながる課題か 3.生徒にとって自己関連性のある設定か 4.ペアやグループで取り組むことで協働性や主体性 をもって取り組める形態になっているか 目標から逆算して授業をデザインする逆向き設計の授業づくりであり,まず単元の学習に入る前に,表3-1の目標(CAN-DO形式),及び下の四つの視点に沿ったパフォーマンス課題になるよう,評価基準とともに準備をした。 また,設定されたコミュニケーションの目的・場面・状況等を生徒が理解し,学習に見通しをもって毎日の学習に向かえるように工夫をした。一つ一つの活動につながりがあり,ゴール到達に向けてそれぞれの言語活動にどんな目的があるのかを生徒と共有し,生徒全員が活動を通して「できた」と感じ,自信をもってパフォーマンステストに臨めるように,言語活動をスモールステップで進めた。こうすることで,活動につながりが生まれ,単元を通してゴールに向かう目的意識が継続されると考えた。 (2) 領域統合の視点とパフォーマンステスト 表3-2はUnit 5の単元計画である。各時に領域統合の視点を意識した言語活動を行い,単元の終末に目標言語材料と教科書の題材を活用するポスターセッション形式でパフォーマンステストを実施した。 本年度は教科書以外の初見の英文を読むことに慣れていない2年生での実践ということもあり,教科書の本文の内容理解に迫り,何回も音読練習を重ねた上でパフォーマンステストを行った。最終的に,3年卒業時では教科書とは別の初見の英文を読んで,その内容について要約したり自分の考えを述べたりすることができるレベルにまで引き上げるべきだと考えている。そこで,本単元を,今後の即興性のある領域統合型の言語活動とパフォーマンステストへの準備段階と捉えて実践を進めた。 図3-2はパフォーマンスの展開例である。 その際,どの生徒も自信をもって「導入→展開→結論」という筋道立てた発表ができるよう,図3-2のような流れにし,単元の目標を見据えながらパフォーマンス内容を考える時間を設け,層の厚い話の展開ができるよう工夫した。 図3-2 パフォーマンスの展開例 中学校 外国語教育 21

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