図1-10 パフォーマンステストの実施状況 (29) (7) 文部科学省『中学校学習指導要領』平成20 年3月 東山書房p.105 年度に向けてさらに充実が図られてきていることが見てとれる。しかし,図1-11でその内容を見ると,原稿を事前に用意してその内容を覚えるスピーチ等の形態が大半を占めている。一方,ディスカッションやディベートなど,相手の発話に応じてそれに関連した質問や意見を述べたりするような即興性のあるスピーキングテストが4.2%という低い割合になっている。よって,互いに協力して対話を継続・発展させられるようなパフォーマンステストの充実を図る必要があると考える。 このように1章で述べてきた英語教育における課題と現状,そして今後育成すべき力を踏まえ,英語によるコミュニケーション能力育成に向けた授業改善を推進する必要がある。生徒の英語への学習意欲を高めるためにも,生徒が「英語を使って何ができるようになるか」という観点から,具体的な目標を設定し,その目標を達成するための言語活動の充実を図らなければならないと考える。よって,後述する逆向き設計で授業をデザインし,その中のそれぞれの言語活動が目標達成に向けてどのようにつながっているのかを生徒と指導者が把握できるような,生徒の学ぶ意欲の向上を図る授業の構築が必要であると考える。 次章では,そのための指導の改善・充実を図ることに焦点を置いた授業設計について述べていく。 中学校 英語教育 8 (8) 前掲(5)p.6 (9)前掲(5)p.7 (10)前掲(5)p.82 (11)前掲(5)pp..82~83 (12)前掲 (5) p.84 (13)明治図書『平成28年度版中央教育審議会答申 前文と読み 解き解説』2017.3 pp..46-62 (14)前掲(13)p.186 (15)前掲(13)p.65 (16)前掲(13)p.186 (17)前掲(5)p.7 (18)文部科学省『平成28年度 英語力改善のための英語力調査結果(中学3年生)の速報』2017.3.30 http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2017/03/02/1382798_1_1.pdf p.1 2018.3.2 (19)前掲(18)p.47 (20)前掲(18)p.8 (21)前掲(18)p.10 (22)ベネッセ教育総合研究所『中高生の英語学習に関する実態調査2014 速報版』2014.10.1 p.14 (23)前掲(22)p.15 (24)前掲(22)p.6 (25)文部科学省『平成28年度英語教育実施状況調査(中学校)』 2017.4 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/04/07/1384236_03.pdf p.4 2018.3.2 (26)前掲(18)p.19 (27)前掲(18)p.20 (28)ベネッセ教育総合研究所『中高の英語指導に関する実態調査2015 ダイジェスト版』2016.3.14 p.4 (29)前掲(25)p.23 (30)前掲(25)p.23 第2章 研究の構想 図1-11 スピーキングテストの具体的内容 (30) 第1節 本研究について (1)研究仮説 第1章で生徒の学習意欲や,複数領域を有機的に関連付けた言語活動を組み込んだ授業実践の充実等に課題があることが明らかになったが,実際に生徒たちは学習に意欲的に取り組んでいないのだろうか。教室からは指導者の後に続いて大きな声で教科書を音読する声が聞こえ,多くの生徒たちが与えられたコミュニケーション活動に積極的に取り組んでいる様子が伺える。 しかし,改めて「学習意欲」について考えたとき,英語への興味だけでなく,英語で伝える力が
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