001総教C030705H29最終稿(中澤)
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以下のことが必ずしも意識されないまま指導が行われてきたこと ・特別活動における各活動・学校行事において身に付けるべき資質・ 能力が何であるか ・どのような学習過程を経ることにより資質・能力の向上につなが るのか ・特別活動の各活動等の関係性や意義・役割 なぜこのようなことが起こるのであろうか。山田は,「学力重視の風潮の中で周辺化されがちである」(20)と述べている。学力を上げていく取組に積極的に取り組んだ結果,二の次・三の次になってしまっているのである。しかし,学級集団としての高まりが,個人の能力向上につながることは「はじめに」でも述べてきた。学力向上を目指すのであれば,集団づくりも同時にしなければ効果が上がりにくいだろう。だから,各学校において,上記の課題の内容を明らかにし,学校全体で共通理解しながら,全教育課程で子どもたちに資質・能力を「育んでいく」という姿勢が大切である。 図1-5 特別活動における各活動の整理と「見方・考え 方を働かせ,様々な集団活動に自主的,実践的に取り組み,互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して」次の三つの資質・能力を育成することを目指すことが目標であると述べられている。(16) (1)多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し,行動の仕方を身に付けるようにする。 (2)集団や自己の生活,人間関係の課題を見いだし,解決するために話し合い,合意形成を図ったり,意思決定したりすることができるようにする。 (3)自主的,実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして,集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに,自己の生き方についての考えを深め,自己実現を図ろうとする態度を養う。 これら三つの資質・能力のどれをとっても人との関わりが重要になってくることが分かる。「特別活動の学習の方法原理が『なすことによって学ぶ』という」(17)にあるので,特別活動の活動を通し,これらの資質・能力を育んでいくことが求められているのである。 次に,特別活動の意義はどのようなものだろうか。渋谷(18)は特別活動の意義を「集団活動を通して個を生かしながら,よりよい人間関係を形成し,主体的な判断力や行動力を育てること」としている。さらに,渋谷は特別活動のもう1つの意義として,「学校生活を生き生きと楽しく,実り豊かなものにすること」を挙げている。要するに,特別活動は,子どもたちの「主体性」や「社会性」を育むために,また生き生きと楽しい充実した学校生活を送るためにとても重要な役割を果たすと言えるだろう。 (3)特別活動の課題 次期学習指導要領解説特別活動編(以後,解説 特別活動編)では,さらなる充実が期待される今後の課題として次のことが挙げられている。 これらから,特別活動において,子どもたちに小学校 特別活動 5 どのような力をどのように付けていくかなど意識されず,指導が行われてきたことが指摘されている。 また,「育んでいく」際,「なすことによって学ぶ」という特別活動の原理に従い,特別活動では,各教科等における学びを,実際の場面で総合的に活用して実践すると共に,特別活動で学んだことが各教科の土台とするといった,各教科等と往還的な関係にあるということを理解しなければならない。つまり,各教科等で身に付けた力を活用しながら特別活動ではよりよい生活や人間関係作りに実践的に取り組むのである。そして,その実践で育まれた資質・能力はまた,各教科等の学習の土台となるのである。次期学習指導要領では,特に道徳との関連を考慮することの大切さが述べられている。これについては,後述していく。 また,子どもたちに資質・能力を育む際,学級の集団作りの重要性が,解説特別活動編で述べられている。これによると,「特に学級の集団作りは,児童の一人一人のよさや可能性を生かすと同時に,他者の失敗や短所に寛容で共感的な学級の雰囲気を醸成する。こうした学級の雰囲気は,協力して活動に取り組んだり,話合いで萎縮することなく自分の意見を発表し合ったり,安心して学習に取り組んだりすることを可能とする,学校生活や学習の基盤となるものである。」(21)とある。つまり,学校生活や学習の基盤を作るためには,学級特別活動の課題 (筆者がまとめたもの)(19) 方」(イメージ)(15) 筆者一部改編

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