という自信やその楽しさに気付いた結果だろう。また,下側の子どものように学級目標や行動目標を意識した感想を書いた子どもがたくさんいた。 図4-4,4-5は,3回目の話合い活動の前にとった学級目標・行動目標達成度調査の結果とお楽しみ会活動終了後にどれだけこの活動でどれだけ達成できたかをはかる調査の結果をグラフに表したものである。 図4-4の学級目標に関しては10%以上も上がった。図4-5の行動目標に関しては,自分たちで話し合って行動ができたと考えている子どもが多かった。もちろんこれは,子どもたちの気持ちの問題であり,数値で測れるものではないが,自分たちで達成できたのだと思うその気持ちこそが次の活動への原動力となると考える。 これらのグラフを見て,子どもたちからは,「活動をしてみんなの気持ちが1つになった」「次は優しい言葉かけをもっとできるようにしていきたい」という意見がでた。 しかし,課題も見つかった。お楽しみ会をするための係決めの際は,いつも仲のよい集団が同じ係になって準備を行っていた。普段仲よくしている友達同士ではなく,クラスがよりよくなるような決め方の視点を入れていくことが,さらに求められている課題だと考える。 これを課題として,次につなげるとステップアップするだろう。 ●係活動における自治的な活動の実践 右図4-6は,係活動に関することのA校における事前事後調査の結果である。 図4-6のように係活動に関する項目はすべて上がっている結果となった。特に,「わたしは,進んで係活動に取り組んでいます」という項目「わたしは楽しんで係活動に取り組んでいます」という項目の上がり方が顕著であった。係活動を楽しんでできるようになった結果,意欲が湧いてきて,それが次の図4-4 学級目標達成度 図4-5 学級行動目標達成度 図 4-6 係活動に関すること 小学校 特別活動 28 1.計画・振返りを習慣化し,振返りを基に次 2.朝の会・終わりの会・係給食などの時間をの活動の改善ができるようにした うまく活用した 3.係で自由に使える場所・物などをつくった 4.担任教員が褒める機会が増えた これらはすべてつながっていると言える。計画で活動の具体的な見通しを持つことができ,振返りで課題を見つけ,次の活動の原動力となった。また,他の係の活動の様子や掲示物などをみて刺激を受け,新たな工夫が生まれた。そしてその結果,担任教員が褒める機会が増えたのだ。 学級全体の話合い活動よりも小集団での話合いということもあり,話合いが進みやすかった。また,活動が習慣化していくと,子どもたちの力で進めることができるようになり,自分たちで創り上げているという意識が高まったと考えられる。 計画や振返りは朝の会や終わりの会で行っていたが,やはり慣れるまでは時間がかかった。その時間的な負担について担任教員に尋ねると「負担にならない程度の時間の確保でも充実することが分かった」という答えが返ってきた。時間をうまく活用していくことが充実につながったと言えるだろう。 今後の課題としては,子どもたちのモチベーションをどう保ち続けるかである。係による集会活動を行ったり,お互いの係のよさを認め合うような機会をつくったりなど工夫が必要だと考えられる。 (2)B校の実践より 次頁図4-7,4-8は,研究の前後で研究対象の子どもたちにアンケートをとって集計したものである。 図4-7は,「自分自身」に関することをグラフで表したものである。このグラフより,変化が顕著だったのがエの「意思伝達」の「わたしは,『こうしたらいい』という思いをまわりに伝えることができていると思います」という項目である。話合い活動等での経験が自信につながったと考えられる。また,自己肯定感や友達への働きかけなども上がっている。 活動の原動力となったと考えられる。では,前期と後期の取組にどのような違いがあったのか分析をすると,以下の点が挙げられる。
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