001総教C030705H29最終稿(中澤)
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図3-22の前回振返り欄を見ると,「仕事をやっていない人ができてしまった」という課題を見つけた。そこで,「担当を決める」ことの重要性に気付き,次の週の計画の際に,「役割分担」することをめあてとし改善を行った。計画でも具体的な役割分担がなされていた。その結果次の振返りでは改善したことのよさに気付く意見が出ていた。このように,自分たちの係で課題に気付いたことが,次の活動の改善意欲につながった。また,他の係のがんばりに触発されたり,みんなに喜んでもらえることを実感したりし,より具体的でアイデアがいっぱいの活動に変化していった。 週の始めの「朝の会」等の時間を使い,係ごとにめあてとそれを達成するための計画をたてた。そしてその計画を基に実践し,週の終わりの「終わりの会」等の時間を用いて,係ごとに振返りを行い,次週の活動へとつなげた。これにより,見通しを持って活動に取り組むことができ,それぞ1.学級全体での話合い活動による係活動のめあてと内容の決定 係活動で子どもたちが主体的に取り組むためには,まず係活動はなぜあるものなのかを子どもたちがしっかり考える必要がある。係活動は当番活動とは違い,必ずやらなければ困る人がいるというものではないが,学級をよりよくするための活動であることを確認した。また,さらにはそれぞれの係が目指す目標を共有し,係ごとに違う活動をしているがそれぞれの活動が学級目標達成につながるということを意識できるように学級全体のめあてを話し合った。話合いで,「自分もみんなも楽しめる係活動にしよう」ということを係活動のめあてに決めた。係を再編成するか否かは,意見が分かれた。前期は人数を限定して係を決めていたため,みんなが自分のやりたい係活動に入ることができていなかったという意見が出てきた。「自分も楽しめる」という点から考えて,再編成していこうということに決まり,2回目の話合い活動で後期の係活動を組織し直すことになった。 2.STPDサイクルを利用し,振返りを次の改善意欲につなげる なぜ係活動が活発にできないのかという問いを考えた時に,その要因の1つは具体的にいつ何をするかという見通しを子どもたちが持てていないことにあるだろう。そこで,1週間単位の短期間のめあてや計画・めあてに対する振返りができるような係ノートを使って実践を行った。図3-21は実践校での係ノートの一例である。 図 3-21 係ノート 図 3-22 振返りを生かした係ノートの例 小学校 特別活動 23 れの役割を一生懸命果たす姿が見られるようになった。 この活動の中で特に大切なのが振返りの際に見つけた課題の改善を行うということである。図3-22は,振返りを生かした係ノートの例である。 活動が充実し,計画がより具体的になるにつれて,朝の会での話合いの時間を長く要するようになってきた。そこで,計画をする日と同日に係ごとに分かれて給食を食べる係給食の時間をとった。そうすることで朝の会で時間が足りなかった話合いの続きを給食時にすることができた。 さらに,話し合ったことを実践する際に,他の係と日が重ならないように,また重なった際には,相談し合えるように係活動の予定を書く掲示板を作った。 次頁図3-23は実践校でその掲示板を利用する子どもの様子である。 掲示板に係で決まった予定を書くことによって,他の子どもに活動の予定を伝えるだけでなく,必ず実践するという気持ちが高まるといった効果も表れた。

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